今回お話を伺ったのは、イラストレーターとして活躍している ”たかぎことみさん” (以下、ことみさん)。
ことみさんは、2022年に未経験からWebライターに挑戦し、2023年からイラストレーターへ転身しました。
今では複数のクライアントから仕事を請け負っており、書籍の挿絵やSNS用のヘッダー画像など幅広いイラストを手掛けています。さらに、Webライターラボのコンテンツ制作に携わった実績もお持ちです。
しかし、そんなことみさんはもともとイラストレーターとしての実績があったわけではなく、右も左もわからない状況から案件をどんどん獲得してきたそうです。
ステップアップできた秘訣について、ことみさんは「身近な人への声かけがきっかけになった」と語ります。果たして、どのような取り組みによって仕事の数を増やしてきたのでしょうか。
ことみさんのキャリアを通じて、イラストレーターという仕事の内容やステップアップの方法を教えていただきました。
インタビュアーは “冨田裕子さん” です。
興味のあるかたはぜひ最後までご覧ください。
目次
イラストレーターとは? 絵でわかりやすく伝える仕事
ことみさん、よろしくお願いします。最初に自己紹介をお願いします。
イラストレーターの ”たかぎことみ” と申します。もともとWebライターとして活動していたのですが、
難しい内容をイラストでわかりやすく表現したいと思い、未経験からイラストレーターに転身しました。
現在の仕事内容は、Webメディアのイラストや本の挿絵、SNS用アイコンの作成です。あとはLINEスタンプを販売したり、電子書籍の絵本を出版したりもしています。
最初のステップが、クライアントへのヒアリングです。イラストの用途や要望をお聞きした上でラフ案(大まかなイメージ図)を何枚か描き、依頼主の構想を形にしていきます。複数のラフ案をクライアントに見てもらうと、相手から「もっとこのようにしてほしい」というご意見をいただくので、これを繰り返しながら完成品に近づけていきます。
いくつものラフ案を制作するには、豊かな発想力が求められると思います。ことみさんは、どのようにしてアイデアの引き出しを増やしているのでしょうか?
創作のイメージを広げる上で大切なのが、情報収集です。具体例として、日常生活のなかで素晴らしいと感じるイラストに出会ったら、その素材をストックしています。このほかにアイデアを出す場面で役立っているのが、紙のスケッチブックです。私はデジタル機材でイラストを制作していますが、最初のイメージは紙に書いて膨らませるようにしています。紙のスケッチブックを使ったほうが、自由な発想になれる気がするからです。
また、仕事をいただいたときにはまずリサーチをして、世の中でどのようなイラストが求められているのかをつかむようにしていますね。
Webライターだけでなく、イラストレーターにとってもリサーチが重要なのですね。
クライアントの要望に近づけるためにも、リサーチは大切です。しかし、私が駆け出しだった頃は、自分の頭の中にある情報だけで制作物をイメージしていました。その結果として独りよがりのアイデアになってしまい、満足のいく提案ができませんでした。このようにリサーチ不足で苦労した経験があるため、今では十分に時間をかけて情報収集しています。
わかりやすく伝えたいとの思いでイラストレーターに挑戦
イラストの案件に挑戦しはじめたのは2023年10月頃からで、Webライターとして活動を開始して1年ほど経った頃でした。
Webライターとして記事を書くなかで、
もっとわかりやすく表現したいと思ったことがきっかけです。私は活字を読むのがあまり得意ではありません。そこで
図解のイラストを載せたら伝わりやすくなるかもしれないと考え、Webサイト用のイラスト制作に挑戦しました。
当初はWebライターとイラストレーターの両立を目指していたものの、なかなか思うようにいきませんでした。そこで、まずはひとつに集中しようとの思いから、2024年以降はより興味のあったイラストの仕事に専念しています。
小学生の頃から絵を描くのが大好きで、ずっとイラストに親しんできました。小学校時代には、イラストの通信教育を受けていたこともあります。とはいえ、当時は教材に書いてある内容には従わず、自分の好きなように描いていた記憶がありますね(笑)。
イラストレーターとして駆け出しの頃は、どのように仕事を獲得したのですか?
初心者の頃はさまざまな人に声をかけて、実績作りのために無償でSNS用のアイコンやヘッダー画像の制作を引き受けていました。
イラストレーターとしての記念すべき一人目のクライアントは、今まさにインタビューをしていただいている冨田裕子さんです。Webライターラボの先輩である冨田さんとは親交が深かったため、Xのヘッダーのサンプルを制作した上で「こんな感じに作らせていただけませんか?」とX経由で申し出たのです。このように、駆け出しの頃は仕事仲間や知人に声をかけてイラスト制作の経験を積みました。
その後は、自分のスキルを出品できるマーケット「ココナラ」へ登録し、有料でイラスト制作を請け負うようになりました。初心者の頃は、自分のサービスを有料で売り出すことに勇気がいりましたね。
また、Webライティングの案件でお世話になった取引先からお声がけをもらったこともありました。以前、イラスト制作を通じて貢献できるかもしれないと思い「こんな仕事もできます」と話したところ、後日依頼があったのです。身近な人に「イラスト制作が可能です」と伝えていると、思わぬチャンスに巡り会えるかもしれません。
駆け出しの頃はわからないことばかり
未経験からイラストレーターになったとおっしゃっていました。仕事の進め方はどのように学んだのでしょうか?
オンラインのイラスト教室で学んだり、インターネットで情報を調べたりしながら取り組みました。駆け出しの頃はわからないことばかりで不安だったことを覚えています。たとえば、書籍用の挿絵で気を付けるポイントは、どのWebサイトにも載っていません。
そこで基本的な知識を教わるために、SNSで見つけたオンラインのイラスト教室に入会しました。このイラスト教室がきっかけとなり、イラストレーターとして活躍する先輩たちとの人脈も生まれましたね。これ以降、ひとりで解決できない疑問にぶつかったときは、付き合いのある先輩に直接たずねるようになりました。
ことみさんの実績を拝見すると、同じクライアントから継続して案件を受注している印象を受けました。特定の相手から長期にわたって仕事を任せてもらえる要因は、どこにあるとお考えですか?
特に意識しているのが、「相手に負担をかけない」という点です。具体的には、取引先にイラストの要望を聞く際、内容によってはですが事前に配色や構図の異なるラフ案を何パターンか用意することもあります。こうすると取引先は完成像をイメージでき、要望や好みを伝えやすくなります。その結果として、相手にとって手間や時間の節約になるのです。このように、取引先にとって楽に依頼できる状態を心がけています。
イラストレーターとして働く上で、ことみさんが気をつけていることはありますか?
自分に非がない場面では、むやみに謝らないように心がけています。というのも、かつての私は、自分に落ち度がなくてもとりあえず謝る姿勢が染みついていました。その理由を考えてみたところ、
「大丈夫ですよ」と声をかけてほしい気持ちが心の奥底に潜んでいたからだと気づいたのです。
相手のためではなく自分を守るための謝罪だったと気がついてからは、相手に負担をかけないように不必要な場面では謝らないようにしています。
この他に、クライアントに安心してもらうため、納品までの流れを丁寧に報告しています。スケジュール感がわからないと相手は不安になってしまうからです。そこで「何日ほどでラフ案をお送りします」というように、現状の進捗を細かく共有していました。
イラストレーターのリアルな単価事情!
イラスト制作の報酬について、一般的な相場価格を教えてください。
SNS用アイコンのイラストで胸部から上を描いたシンプルな人物像だと、3,000円が目安の金額になります。金額を左右するポイントは制作時間の長さよりも、そのイラストでどれだけ収益を生み出せるかです。そのため、企業のパンフレットや商品パッケージのように商用利用を目的としたイラストだと、高単価になりやすい傾向がありますね。
このほかに、イラストの権利関係も金額に影響を与える要素です。たとえば、二次利用といって複数の書籍・Webサイトに掲載される前提だと、追加の料金が上乗せされます。また、イラストとともに著作権を譲渡するケースでは、数倍の金額を設定することもあります。
イラストレーターとしてどのように仕事の幅を拡げたのですか?
自分から積極的に営業をしていたわけではありませんが、SNSで自分が制作した作品を発信し、次の仕事につなげていました。SNS上で実績を披露すると、次第に「同じような作風のイラストを描いてほしい」とのお声をいただく機会が多くなったのです。
そして、「ことみさんはイラスト制作ができる」という認識が段々と皆さんに広まり、クチコミを通じて仕事をいただけるようになりました。
絵を描いて楽しいと感じる心が、なによりも大切
イラストの仕事をする際に、Webライターの経験が活きた場面はありますか?
図解イラストにセリフなどのテキストを入れる場面で役立っていると感じます。Webライターの経験があったからこそ、シンプルでわかりやすい表現を心がけるようになりました。また、リサーチする習慣が身についているのもWebライティングのおかげです。
イラストの仕事をしてよかったなと思う場面は、どんなときですか?
クライアントや読者の人に喜んでもらえたときです。イラストは目に見える成果物なので、自分の作品を相手に渡したときに喜んでいる姿を目の当たりにできます。自分の一番好きな仕事で相手にも喜んでもらえるのは、やはり最高ですよね。
イラスト制作でクライアントワークをするなら、どんな人が向いていると思いますか?
絵を描くのが楽しいと思える人は、イラストレーターに向いています。絵に向き合うなかでスキルアップできるため、おもしろさを実感できるはずです。
このほかに、人に喜んでもらうのが好きな人もイラストレーターに適しています。クライアントを喜ばせるために何ができるだろうと真剣に考えるなかで、新しい発想が生まれるからです。
オリジナルキャラクターを通じて、笑顔を届けたい
今後、イラストレーターとしてチャレンジしたいことはありますか?
より多くの人を喜ばせるために、自分のオリジナルキャラクターを創りたいです。なぜこのような想いに至ったかというと、クライアントワークを通じてイラストの持つ可能性を実感したからです。コンテンツの中にイラストがあると、見る人の感情が大きく揺さぶられます。ホッとしたり、わくわくしたりと、一枚の挿絵がコンテンツ全体の中で大きな存在感を放っているのです。
このイラストならではの温かみをたくさんの人へ伝えるために、自分のオリジナルキャラクターを創りたいと思うようになりました。これまでのクライアントワークに加えて、オリジナルキャラクターを通じて自分だけの作品を世の中に送り出していきます。
これからイラストレーターに挑戦したい人に向けて、一言いただけますか?
イラストレーターへの第一歩として、とにかく最初の仕事を受けてみることが大切です。実際に私もクライアントからいただいた一件目の依頼がきっかけとなり、現在のキャリアにまでつながってきました。駆け出しの頃は不安だと思いますが、クライアントワークに取り組む中で徐々に慣れてくるはずです。
もしイラスト制作の経験がないのならば、まずは知人に声をかけて無償でイラストを描かせてもらうのがよいでしょう。その際は、事前にラフ案を準備しておくと相手も回答しやすくなるはずです。Webライターラボのようなコミュニティで仲の良い人にお願いすると、最初の仕事につながると思います。
そして「こんなイラストを描けます」と周りの人に伝えたり、SNSで発信してみたりするうちに、次の案件へとつながるはずです。ぜひ、イラストレーターという仕事に挑戦してみてください。イラストレーターならではのやりがいを必ず実感できるはずです。
ことみさん、本日はお忙しいところ大変貴重なお話をありがとうございました。
さいごに
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