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「また変更か……」を「なるほど!」に変換する、フリーランスが朝令暮改と上手く付き合う方法

はじめに

Webライター向けオンラインコミュニティ「Webライターラボ」では、所属しているメンバーがコラムを書く企画があります。

今回紹介するのは、運営統括の “大江かこ” さんの連載コラムです。

目次

「朝令暮改をまた改める」という考え方に出会って、先入観が変わった

私はフリーランスになったばかりの頃、企業で働いていた頃に比べて、仕事のスピード感がかなり早いと感じていました。

フリーランスは、ベンチャー企業や個人事業主と仕事をする機会が多いです。クライアントの中には「とりあえずやってみよう」というスタンスの人も多く、急な変更や朝令暮改(ちょうれいぼかい)も当たり前。むしろ、それを前提に動いているように思います。

朝令暮改とは朝言っていたことが夕方に変わること。ビジネスでは方針や指示が、頻繁に変更されることを意味する四字熟語です。

フリーランスは、クライアントのスピード感に合わせて仕事をするため、急な変更や朝令暮改をポジティブに考えた方が、気持ちよく仕事に取り組めます。

とはいえ急な変更に戸惑う人もいるでしょう。私もフリーランスになったばかりの頃は「周りのスピード感に合わせよう」と思いながらも、ネガティブな気持ちになるときがありました。

それは、急な変更や朝令暮改に対して「必ず受け入れるべきもの」という先入観があったからです。

私の先入観が大きく変わったのは、Webメディア『CORECOLOR』に掲載されている「ヘラルボニーは人がすごい。アートもコンセプトもすごいが、とにかく『人』がすごい」という記事を読んだときです。

社内のやり取りについて触れた以下の箇所が、印象に残りました。

今朝言っていたことが夕方に変わることもあります。まさに朝令暮改。でもそれに対してメンバーもフラットに意見が言えるのは、ヘラルボニーのいいところです。「そのやり方はヘラルボニーらしくありません」と意見を言ったとき、それがもっともだと思えば「たしかにそうだね」と意見を戻してくれます。朝令暮改をまた改めるという(笑)。

『CORECOLOR』「ヘラルボニーは人がすごい。アートもコンセプトもすごいが、とにかく『人』がすごい」より引用

「朝令暮改をまた改める」というのは、自分にない考え方でした。ヘラルボニーでは「ヘラルボニーらしさ」や「根底にある考え」を社内の人たちが共通認識として持っているそう。だからこそ、急な変更で仕事が大変になっても、納得感があるのだと、記事内に書かれていました。

「朝令暮改」についてさらに調べてみると、中国の歴史書『漢書』にある大昔の出来事が語源だと分かりました。

国を治めている皇帝が法律や命令を頻繁に改定するため、農民は困惑していたそうです。その様子を見た臣下(皇帝に仕える者)が皇帝に意見書を提出しました。その意見書に「朝令暮改」と書かれていたと、いわれています。

臣下が皇帝に意見書を提出した点は、ヘラルボニーの考え方「朝令暮改をまた改める」に共通していると思いました。

自分の仕事に置き換えると「朝令暮改はそのまま受け入れるもの」ではなく「違和感を持ったら別の提案をしてもOK」と捉えられます。このように考えると、気持ちが軽くなりました。

ただし、クライアントに自分の意見や提案を受け入れてもらうには、日頃から会話しやすい土台をつくっておくことが大事。日頃からコミュニケーションを取り、土台をつくっておけば「相手の話を聞いてみよう」と思ってもらえるからです。

コミュニケーションの土台をつくり、朝令暮改のイメージを変換する

私が企業で働いていたとき、最も多くの人から聞いた愚痴が「聞いてない」でした。今振り返ると、コミュニケーション不足が原因だったのではないかと感じます。

私がとある企業で営業アシスタント(事務)として働いていたときのことです。営業から依頼される仕事の納期が、顧客の都合で前倒しになることがよくありました。

「取引先へ行く予定が前倒しになった。お願いしていた資料、今日中にできますか?」など。

このとき、依頼される仕事の内容は同じでも、営業の対応によって、アシスタントのモチベーションは大きく変わります。

たとえば外回り中の営業が、急な納期変更についてアシスタントにメールや電話で伝えていた場合、帰社後の対応は各営業によって違いました。

  • Aさん:帰社後は状況確認や催促のみ
  • Bさん:帰社後に急ぎになった理由を教えてくれる

各営業についているアシスタントのモチベーションは以下の通り。

  • Aさんのアシスタントは、常に不満を抱えていた
  • Bさんのアシスタントは、前向きに取り組んでいた

AさんとBさんの違いは「変更の理由が伝わっているか」「相手に配慮した伝え方をしているか」の2点だと思います。

とはいえ、Aさんが一方的に悪いとは言えません。Aさんはちょっとせっかちなだけで、人間性に問題があるわけではなかったからです。

そのため、アシスタントから急ぎの理由を聞けば、嫌な顔をせずに教えてくれたはず。普段からAさんとの会話が少なかったため、アシスタントは理由を聞くことすら、ためらっていたのです。

どちらかといえば、納期の前倒しをお願いしている頻度はBさんの方が多かった印象があります。Bさんは日頃からアシスタントとコミュニケーションを取っていたので、会話しやすい土台ができていたのでしょう。

この経験から、コミュニケーションの土台があるかどうかで、急な変更や朝令暮改に対するイメージは、かなり変わると実感しました。

クライアントとのコミュニケーションは、自分から取りに行く

フリーランスの場合、クライアントとのコミュニケーションはテキストが中心です。オンラインの場合、お互い働いている様子が見えないので、オフィスで働くよりも、考えや意図が伝わりにくいでしょう。

そのため、ときどきZoomミーティングをお願いするなど、直接会話する機会を設けると、意思疎通が円滑になります。

もしスケジュールの都合で断られても、「コミュニケーションを取りたい」というこちらの気持ちは伝わるはずです。

「聞きたいことがあったら、テキストで質問させてください」と前向きな返信をしておけば、テキストでのやり取りがしやすくなります。さらに「またお声掛けさせてください」と文末にひとこと添えると、次回のお声掛けもしやすいです。

大事なのは、クライアントからの声かけを待つのではなく、コミュニケーションの機会は自分から提案すること。

このようなやり取りの積み重ねが、コミュニケーションの土台をつくっていきます。自分から行動することで、急な変更や朝令暮改に対する自分の気持ちも変化するでしょう。

私は急な変更や朝令暮改があったとき、以下の順番で対応するようにしています。

①相手に配慮した聞き方で、変更の理由を聞く
②もっといい案があれば提案する

もしクライアントの急な変更や朝令暮改に戸惑っている人がいたら、参考になると嬉しいです。

さいごに

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筆者:大江かこ(@kakoworks1
編集:中村昌弘(@freelance_naka

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