最初に結論をまとめると以下の通りです。
- 「することができる」は文法的には問題ない表現
- 冗長表現と考える人もいるので、使い方に注意が必要
- 不必要に多用するのはもちろんNG
「することができる」を別の言葉に置き換えたほうがいいケースは主に3つあります。
- 「できる」に言い換えられるとき
- 可用表現ではない他の言葉に言い換えられるとき
- クライアントから使わないように指示があったとき
一方で、「することができる」をそのまま使ってもいいケースは以下の4つです。
- 動作を強調したいとき
- 文章にメリハリをつけたいとき
- 表現を変えると誤解されそうなとき
- 動作を選べる、というニュアンスを伝えたいとき
この記事を読めば「することができる」の正しい使い方がわかるようになり、執筆のときに迷うことが減ると思います◎
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「することができる」は正しい日本語?
「することができる」はごく一般的に使われる表現であり、正しい日本語だと考えられます。
文法の観点から見ても、主述関係がきちんと成り立っているので大きな問題はないでしょう。
ただ、使うのに違和感を覚える人もいるはず。
「することができる」という表現が生まれたのは、英文の”be able to”の和訳が背景と考えられています。
英語が起源なので、日本語として違和感があるのは仕方ないかもしれません。
文法上は問題ありませんが、文章によっては「することが」を入れずに「できる」の一言で意味が通じるので、多用には注意が必要です。
「することができる」は冗長表現?嫌がられる2つの理由
Webの記事では「することができる」は冗長表現(なくても意味が通じる言葉)といわれています。
特に、Webライターが原稿を執筆する際に使うと、クライアントに嫌がられることもあるでしょう。
理由は主に2つあります。
- 大事なメッセージが伝わりにくくなるから
- 文字数を意図的に増やすWebライターがいるから
大事なメッセージが伝わりにくくなるから
1つ目の理由は、冗長表現が多くなると大事なメッセージが伝わりにくくなるからです。
いい例と悪い例を見てみましょう。
このように、「することができる」を多用すると文字数が多くなり、その分大事なところがわかりにくくなります。
「文章を書くのが苦手」と感じている方には、以下の記事もおすすめです。
文字数を意図的に増やすWebライターがいるから
2つ目の理由は、「することができる」を多用して文字数を意図的に増やすWebライターがいるからです。
- 1記事あたり最低2,000字~など文字数の指定がある
- 1文字1円など、文字単価ベースで原稿の報酬が決まる
このような案件の場合、無理やり文字数を増やして条件を達成したり、報酬を上げたりしようとする人もいます。
しかし、「できる」の一言で意味が通じるのに、わざわざ「することができる」と意図的に文字数を増やすのは信頼を損なう行為です。
大切なのは文字数を増やすことではなく、必要な情報を読者に届けること。
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「することができる」を言い換えたほうがいいケース
他の言葉に言い換えたほうがいいケースは以下の3つです。
- 「できる」に言い換えられるとき
- 他の言葉に置き換えられるとき
- クライアントから使わないよう指示があったとき
「できる」に言い換えられるとき
1つ目のケースは「できる」に言い換えられるときです。
変更前
Webライターになったら、在宅で仕事をすることができます。
変更後
Webライターになったら在宅で仕事ができます。
上記の文章は「できる」に置き換えても意味は変わりません。
このように「できる」と書いても問題なければ「することが」は削ってしまいましょう。
他の言葉に置き換えられるとき
2つ目のケースは他の言葉に置き換えられるときです。
Webの記事では「できる」や「することができる」などの可用表現が多くなりがち。
文章に厚みを持たせるためには、なるべく語彙のバリエーションを広げることを意識しましょう。
変更前
田中さんはYouTubeの動画編集をすることができます。
変更後
田中さんの強みはYouTubeの動画編集スキルに長けているところです。
このように、可用表現を使わずに表現できる文章はたくさんあります。
「できる」や「することができる」「可能です」といった表現が多いときは、他の言葉にできないかチェックしてみましょう。
クライアントから使わないように指示があったとき
3つ目のケースはクライアントから使わないように指示があったときです。
先ほど記載したように、冗長表現を多用して文字数を増やすことはWebライティングではNG。
読者が知りたい情報を盛り込みつつ、読みやすい文章を書くことを意識しましょう。
クライアントから指示があったときは、提出前に該当の表現を使っていないかチェックするのがおすすめです。
「することができる」をそのまま使ってもいいケース
「することができる」をそのまま使ってもいいケースは主に以下の4つです。
- 動作を強調したいとき
- 文章にメリハリをつけたいとき
- 表現を変えると誤解されそうなとき
- 動作を選べるようにしたいとき
意図があるのなら「することができる」をあえて利用しても問題ありません。
迷ったときは上記の基準を参考にしてくださいね。
動作を強調したいとき
1つ目のケースは動作を強調したいときです。
文中で「することができる」がメインのメッセージになるのなら、あえて残してもいいでしょう。
【例】この講義を最後まで視聴すれば、スキルを大幅に上げつつ、市場に通用する人材になることができます。
この文章では「市場に通用する人材になる」が一番強調したい部分なので、「なることができる」をあえて残しています。
文章にメリハリをつけたいとき
2つ目のケースは文章にメリハリをつけたいときです。
漢字が続くときや、短文が続くときなどは「することができる」をうまく活用しましょう。
【例】納期の直前ではなく、数日前に原稿を出すほうが取引相手を安心させることができます。
この文章は漢字がつづいているので、あえて文末のひらがなを多めにしています。
このように、漢字とひらがなのバランスを取るために残すのもひとつの手です。
表現を変えると誤解されそうなとき
3つ目のケースは表現を変えると誤解されそうなときです。
「することができる」を可用表現に変えると、尊敬語に見えるケースもあります。
【例】斎藤さんはパクチーを食べられます。
→「食べることができる」という可用表現、もしくは「召し上がる」という尊敬語にも見える
このように、読み手によって意味が変わってしまいそうな場合は、あえて「することができる」と記載してもいいでしょう。
動作を選べるようにしたいとき
4つ目のケースは動作を選べるようにしたいときです。
より詳しくいうと、動作自体を「してもいいし、しなくてもいい」というニュアンスを強くしたいときが該当します。
【例】このホテルに宿泊される方は、屋外にあるプールを使うことができます。
このような文章は、サービスの利用規約や契約書類にもよく見られる表現です。
ユーザーの自由さを強調したいときは、あえて「することができる」を残すことも検討してみてください。
まとめ:意図をもって表現を決めよう
「することができる」は正しい日本語であり、Webの記事などに記載するぶんには問題ありません。
ただ、不必要に文章を長くするために使うのはもちろんNGです。
使うべきか残すべきか迷ったときは、今回の記事で紹介した内容を読んで基準を振り返ってみてください。
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筆者:ゆらり(@yurarigurashi)
監修者:中村昌弘(@freelance_naka)