はじめに
Webライター向けオンラインコミュニティ「Webライターラボ」では、所属しているメンバーがコラムを書く企画があります。
今回紹介するのは、コミュニティマネージャーの ”大江かこ” さんの連載コラムです。
一次情報は信頼につながる
一次情報とは自身が直接体験したり、調査や実験をしたりして得られた情報のこと。
ライターであれば、一次情報を盛り込むことで、内容の濃い記事をつくれます。さらにその人独自の経験であればあるほど、読者の興味を惹きつけ、信頼獲得につながるでしょう。
そのため一次情報があるかないかで、記事の質はだいぶ変わります。これはライターに限らず、全ての仕事に通じることです。
先日、新しいエアコンを買うために家電量販店へ行ったとき、担当してくれた女性店員さんから、改めて一次情報の大切さを学びました。
そのときの体験を今回紹介します！
家電量販店での気づき、店員さんの行動力に心が動いた
私が家電量販店でエアコンの展示を眺めていたとき、声を掛けてきたのは、首から「P社」の名札をさげた女性店員さんでした。
このとき私は「P社」の製品を検討していなかったので、ややテンションが下がり気味に……。
というのも、自宅で使っているP社製のエアコンは、掃除の時間が長く、音がうるさいという欠点があったからです。
案の定、店員さんがP社の製品を説明し始めたので、私は適当に聞き流そうと思っていました。
しかし私が「今P社の商品を使っているのですが、掃除の時間と音が気になります」と伝えると、店員さんはすぐに我が家のエアコンの型番を確認。
どんな機能がついているかをすぐに把握し、このように話してくれました。
「はい、お客様が購入された製品は2014年製ですね。実は他のお客様からも掃除時間が長いことと、音が大きい点についての意見を多数いただきました」
「そこで、私たちはお客様の声を届けるべく、会社に直談判して工場へ行ったんです。そのときにお客様からの要望を伝え、今は大幅に改善されました」
この言葉を聞いて、私は聞く姿勢を正しました。「なんて行動力のある人なんだ」と思うと同時に、彼女が工場で何を体験したのか興味を持ったのです。
工場での体験に基づいた、リアルな接客に感動
詳しく話を聞くと、工場では以下のような体験をしたとのこと。
・自社のエアコンを分解して中の状態を確認する
・他社の製品と比較する
・工場のスタッフから自社製品についてレクチャーを受ける
・お客様の声や要望を工場のスタッフに伝える
たとえば除湿機能を使って、数時間運転した後のエアコンを分解したときのこと。内部が水滴だらけになっている様子を目の当たりにしたそうです。
そのとき工場のスタッフから「エアコンを長持ちさせるためには、除湿機能を頻繁に使わない方がいい」とアドバイスを受けたのだとか。
彼女はそのアドバイスを店に持ち帰り、お客様に一次情報として伝えているそうです。
さらに彼女が工場へ行ったことがきっかけとなり、従業員の間で「自分も行ってみたい」という声があがったといいます。
今では希望者を募って、毎年工場へ行く仕組みができたとのこと。
これらの話から、企業と社員が一丸となって良い製品を作ろうとしている姿勢が見え、私は「P社の製品なら信頼できそうだ」と感じたのです。
自分の経験は唯一無二のもの
家電量販店でこのような接客を受けたことで、私は「ライターの仕事にも同じことが言えるな」と、改めて実感しました。
今の時代は、AIを使って記事を書けるようになりつつあります。だからこそ、その人が実際に経験した唯一無二の情報が重要視されるのです。
とはいえ私を接客してくれた店員さんは、最初から「一次情報を取りにいくぞ！」と意気込んでいたわけではないはず。
自社製品に興味を持ち、もっと良い製品をお客様に届けたくて「工場に直談判しよう！」と決意したのだと思います。
私たちもまずは自分の仕事に向き合い「読者やクライアントにどうやったら貢献できるか？」を考えることが大切です。
「もっと知識を深めたい」「疑問点を解決したい」と思えれば、自然と知見を増やすために行動するはず。その積み重ねが、唯一無二の情報になっていくと思います。
ぜひ自分ならではの一次情報を増やしていきましょう。
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筆者：大江かこ（＠kakoworks1）
編集：ゆらり（@yurarigurashi）