- Webライターとして仕事の幅を広げたい
- SEOライティング以外の武器をつくりたい
- ホワイトペーパーの仕事について知りたい
今回はこんな疑問にお答えするために、ホワイトペーパーの仕事が得意な “こばやしさん”
にインタビューしました。
ホワイトペーパーとは、マーケティングの施策で使われる「お役立ち資料」のこと。BtoB のビジネスにおいて、リード(見込み顧客)獲得のために活用されています。
実はホワイトペーパーの仕事は制作できる人が多くないので、Webライターにとって狙い目の仕事です。制作に携われば、デザインやマーケティングの知識も身につけられるでしょう。
こばやしさんにホワイトペーパーの仕事内容や案件の獲得術を伺ったので、仕事の幅を広げたいWebライターの方は参考にしてくださいね。
実はチャレンジしやすい! ホワイトペーパーの仕事とは?
今はライティングとデザインの2軸で働いています。
たとえば、オンライン会議ツールの比較記事に、「今回の記事で紹介したツールについて、もっと詳しく知りたい方はこちらのフォームからダウンロードしてください。登録された連絡先あてにPDF資料を送ります」のようなバナーを見たことはありませんか?
主な目的はリード(見込み顧客)獲得です。メールアドレス情報を取得する代わりに、PDFのお役立ち情報を提供します。そのメールアドレス宛てに自社のサービスや商品の案内を送ったり、営業の電話をかけたりすることもあるようです。
SEO記事に似たパターンも多いので、SEOライティングを書いたことがあるのなら、その経験をホワイトペーパー制作にも活かせると思います。
クライアントやホワイトペーパー制作代行会社の社内に専属のデザイナーさんがいて、ライターは執筆のみを担当するパターンのほうが多いです。私がこれまで携わった案件では、「ライティングのみ」と「デザインを含む仕事」の割合は7対3くらいですね。デザインが苦手でも、そこまで心配しなくていいと思います。
もちろんスキルがあることが前提ですが、ホワイトペーパーを得意分野にすると仕事が途切れにくくなるかもしれません。
ホワイトペーパーはそもそも専門的なテーマが多いので、SEO記事と比べると単価は高い印象です。
クラウドソーシングサイトでも、文字単価3円以上の案件がたくさんあります。
私自身、前職がシステムエンジニアだったので、今つくっているIT系のホワイトペーパーは「過去の自分」を読者に見立てています。
本業と同じ業界のホワイトペーパー制作をすれば、仕事で得た知見を活かして、濃い内容を書けると思います。
ホワイトペーパーは専門的な内容が多いため、もしデザインができなくても、知識や実務経験をアピールすればライティングの仕事につながりやすいと思います。
ホワイトペーパーのなかでイラストや図解の割合が多い場合は、文章を短くする必要があります。デザインの最終的なレイアウトを意識して、文章のバランスを調整できると、その後の工程が楽になるので重宝されると思います。
これからデザインを学ぶのなら、近接、反復、整列、対比の「デザインの4原則」を抑えておくと安心です。ホワイトペーパー以外のコンテンツをつくるときにも役立ちます。
未経験のWebライターがホワイトペーパーの仕事を獲得するヒント
ミーティングのときに雑談がてら「他にどんな仕事を担当されているんですか?」と聞いたら、ホワイトペーパーの話が出てきて「ぜひお手伝いさせてください」とお伝えしたんです。
私は、それまでホワイトペーパーをつくったことはありませんでした。でも、その前に執筆したSEO記事が同じジャンルだったので、知識を評価していただき依頼をくださったようでした。
今はネット検索すると「ホワイトペーパーのつくり方」のような記事がヒットしますが、当時はそういった情報はなかったため、泥臭く独学を続けました(笑)。
ホワイトペーパーはマーケティング施策の一環なので、SEO記事で集客するのと同じように、Webマーケティング会社が制作を請け負うことがあります。
もしくは「ホワイトペーパー制作代行」を事業にしている会社もあるので、そうした企業と取引ができれば、継続依頼もいただきやすいですね。
自社のオウンドメディアでホワイトペーパーをつくりたいけれど、リソースが割けないので、代行できる人を探していたようです。
ポートフォリオを見てくださった担当者の方から、問い合わせフォーム経由で連絡を頂戴しました。
今は「ホワイトペーパーライター」を名乗っているので、その肩書を見た方からオファーをいただくことも多いです。
ホワイトペーパーをつくれる人はそう多くないので、「必死に探して、ようやくこばやしさんにたどり着きました!」と言われるケースもあります(笑)。
ホワイトペーパーは意外と制作期間が長い! 完成形を見られるのがもっとも嬉しい瞬間
というのも、ホワイトペーパーは結構労力がかかるんです。ライティングに加えてデザインも巻き取ると、月に10本、20本と量をこなすのは不可能です。
なので、今は継続案件を手がけている状況ですね。
ライティングだけであれば1週間から10日くらいかかります。
デザインがある場合は、モックアップと呼ばれるラフ画のレイアウトをつくるのに、追加で3から4日。きれいに整える工程も入れると、さらに3から4日かかるイメージです。
クライアントさんのレビュー期間も含むと、もっとかかりますね。
また、ホワイトペーパーではデジタル化に使うツールのような、あまり馴染みのない製品を紹介することもあります。読者に適切な情報を届けられるよう、製品の特徴や強みを理解するためのリサーチも比重が大きいかもしれません。
でも、実は、制作過程で最終形態を見られる機会は少ないんです。
その場合は、ダウンロードフォームなどで実際に設置されたホワイトペーパーを見て、静かに感動しています(笑)。
デザインをするときは、PowerPointやGoogleスライド、Canvaなどのプレゼンツールを使うことが多いですね。
デザインの自信がない方は、ぜひいろいろなホワイトペーパーをダウンロードしてほしいです。意外とシンプルなものも多く「このくらいのデザインなら自分にもできそう」と感じると思います。
私も一流のデザイナーではありませんが、問題なく制作できているので、興味がある方は臆せずチャレンジしてほしいです。
脱サラして島に移住しWebライターに。オンラインと地域の仕事を掛け合わせる働き方
地域おこし協力隊は3年と期間が決まっているので、その後は独立や企業、現地での就職といった形でキャリアが変わっていきます。
この期間に何かやらねばという気持ちで、Webライターの活動を始めました。
Webメディアの記事を書いたり、テキストを入稿したり、バナーを作ったりといったことです。
移住者のセミナーで登壇する機会もあり、そのときはスライド制作もします。
オンラインの仕事で養った、ライティングやデザインなどのスキルが総合的に活きていますね。
たとえば、飲食店のイベント支援に携わった際は、対価としてシェフの料理をご馳走になりました。
最近では、キャンプ場を経営されている方のWebサイトを作成した対価として、私が住んでいる古民家の大きな庭を整地していただけました。もし業者に頼んだら、15万円程度はかかったと思います。
最後に、こばやしさんの今後の展望をお聞きしたいです。
また、現状すべての仕事を受けきれていないので、チームをつくって事業規模を拡大することも検討しています。ライターさんに執筆をお願いしてデザインは私が担当するなど、座組を考えてうまくやっていきたいです。
さいごに
オンラインコミュニティ「Webライターラボ」は、今回お話を伺った “こばやしさん”をはじめ、さまざまなジャンルで活躍中のライターが集まっています。
興味がある方は、オーナー中村の無料メルマガをチェックしてみてください。
Webライターがまず勉強するべき「文章力」を上げるノウハウを無料で配信しています!
ゲスト:こばやし(@koba_iju)
ライター:ゆらり(@yurarigurashi)