40代未経験からインタビューライターに! いい取材のために欠かせないスキルとは?
- インタビューライターになるにはどうしたらいいの?
- 40代未経験からインタビューライターになれる?
- いい取材をするためにはどんな力が必要?
今回はこんなお悩みにお答えするために” 芦田おさむしさん” (以下、おさむしさん)に話を伺いました。
おさむしさんは40代未経験からライターの道を志し、現在はインタビュー案件を中心にさまざまな仕事を手掛けられています。格闘家や大学教授、起業家など、幅広い人へのインタビューなど豊富な経験をお持ちです。
インタビューをするときの具体的なコツや、40代のWebライターに向けたエールも話していただいたので、ぜひ最後までご覧ください。
脱サラしてライター活動を開始! 収入が3分の1以下に……。
中間管理職として上司と部下の板挟みになったことや、長時間労働が常態化したことから鬱のような状態になり、退職を決意したんです。
WebライターになってからはSEO記事の執筆からスタートして、その後格闘技メディアでの記者活動を経て、現在はビジネス系のインタビュー案件をメインに活動しています。
会社員だった前職の収入に比べると3分の1ほどに落ち込んだ時期もあり「このままで大丈夫かな?」という不安はありましたね。
ただ、幸いなことに、比較的早い段階で大量発注していただけるお客様に出会えたので、月10万、20万と順調に稼げるようになっていったんです。生存の危機を感じるほどの過酷な状況には陥らずに済みました。
他には、海外の観光スポットを紹介する単価0.8円のコラム記事も執筆しました。この記事を大量に発注してもらったので、3ヶ月目には月20万円ほど稼げるようになったんですよ。
当時はよく言われていた「知らないことでも、調べれば記事を書ける」という言葉の意味を実感しましたね。今思えば、よくあれだけ書けたなと我ながら感心します。
大好きな仕事に出会ったものの、収入面の問題が浮上
格闘技観戦がもともと大好きだったので、オンラインサロン内で募集している案件を見つけてすぐに応募したんです。この案件で、本格的な取材の基礎を学びました。
取材中は感極まって涙ぐんでしまうほど。「この仕事が自分の生きる道だ!」と思いましたね。
格闘技メディアで執筆したのは、1,000字くらいのニュース記事のようなものだったので、ボリュームが少ないぶん、単価は決して高くなかったんですよ。
そんな時期に、3,000〜5,000字を超えるような一般的なインタビュー案件は、1本あたり2~3万円で受注できると知り、徐々にそちらにシフトすることにしました。
格闘技メディアのインタビューは、試合のあとに5~10分ほど話を聞く程度だったんです。
新しく受けたこの案件で、がっつり1時間取材をする経験ができたのは、本当に勉強になりました。
その企画では、現場でインタビューを直に見せてもらうだけでなく、記事の執筆も記名で任せていただいたんです。ビジネスに関するインタビュー記事を初めて書きました。
この2記事を武器にして、ポートフォリオやランサーズのプロフィールに載せて営業したんです。すると、企業の自社メディアに載せる、社員インタビューの依頼が来るようになりました。
これからインタビューを始める方は、最初から1時間を超えるような取材案件に積極的に取り組めば、もっと短い期間で単価アップできると思います。
「これ以上の緊張感はない」と思うような取材が自信につながる
しかも、初日から社長と役員の方々、合計3人のインタビューが控えていたんです。始まる直前まで吐きそうな気分でした(笑)。
それをくぐり抜けられたからこそ、「これ以上の緊張はないだろう」と、その後の取材では自信を持てるようになりましたね。
僕のまわりのインタビューライターも、「大物やベテランと相対した経験が糧になった」とおっしゃる方は多いです。
最初は100のエネルギーをかけた仕事でも、場数を踏むうちに、40くらいで済むようになってきます。
いいインタビューに欠かせない「事前準備」の極意
仏頂面で話を聞くよりも、ニコニコしながら聞くほうが相手も話しやすいですからね。
相手がこちらを笑わせようとしているときは、ちゃんと笑顔で反応する、といったことも意識しています。
念入りに下調べをしたことを感じ取ると、相手は深い話をしてくれるようになり、話が膨らみます。
たとえば、ニュースや新聞で見た社会問題を知っておき、それについて言及するとか。最近はSDGsへの取り組みをアピールする企業が増えているので、SDGsが掲げる具体的な指標を学んでもいいかもしれません。
そうすると、表面的な当たり障りのない受け答えではなく、ここだけの話も聞けるようになります。
短いと1時間くらいで打ち止めになりますが、長ければ半日くらいかけてネット記事を読むこともありますね。
ですから、相手の情報がまったく見つからなくても「質問することがない!」という状態にはあまり陥りません。
変化を持たせたいときは、その前にインタビューした方の話を引き合いに出して、「他の方はこういうことをおっしゃっていましたが、ご自身はどうお考えですか?」と聞くこともあります。
状況に応じてフレキシブルに対応することも、インタビュアーに求められるスキルだと感じます。
インタビュアーで居続けるためには「まとめ力」を鍛えよう
僕に限った話ではなく、お客さんに「ちゃんと仕事を片付けてくれるライター」と認めてもらえれば、インタビューライターの活動を続けられると思います。
インタビューでは、話が前後したり脱線したりすることも多々あります。たとえば、10個ある質問項目の1番を聞いたはずなのに、8番の回答が返ってくる……というケースは、本当に多いです。
話の中から本質をくみ取り、読み手に伝わるストーリーに再構成したり、盛り上がるエピソードを冒頭に持ってきたりといった編集力も大切です。ときには、創作に近い形で文章を書く必要もあります。
どんなインタビューであっても、きちんと「読める内容」にまとめ直すのが、ライターの腕の見せどころだと思います。
ひとつ目は、表現の粒度を変えることです。インタビュイーのなかには、ふわっとした抽象的な話が多い方もいれば、細かい具体的な話が多い方もいます。
抽象的な話が多ければ全体的にぼやっとした記事になり、細かすぎる話が多ければ読んでいて疲れてしまうんですよね。
ですので、読み手にとってちょうどいい粒度になるように「抽象→具体」「具体→抽象」のフィルターをかけるような意識をしています。
何らかの成功を収めた方は、全員が確固たる信念を持っているわけではありません。徹頭徹尾、同じ行動原理を貫いているわけでもありません。
成長の過程で意見が変わることや、当時は本気であっても、振り返ると行き当たりばったりだった……というケースのほうが多いです。
ですので、もし執筆の時点で、気持ちの変化やストーリーに矛盾が生まれるのなら、そのエピソードはバッサリ切ります。たとえ話としては面白くても、記事全体のノイズになるようならカットします。
40代未経験のスタートでも年齢ならではのアドバンテージがある
ただ、40代という年齢が武器になることもあります。ある程度年を重ねると「社会人としての信頼感」を感じてもらいやすいからです。
特に、会社員の経験年数が長い人なら「最低限のビジネスマナーは身についているだろう」と思ってもらえます。
そのときに、自分とインタビュイーの年齢が近いと、話が通じやすい部分もあります。
相手によっては、「年齢ならではの共通言語のようなもの」を持てるので、その点はアドバンテージだと思います。
自信のなさは相手に伝わるので、初めての取材であっても、毅然とした態度で取り組んだほうがいいと思います。
自信がなさそうな20代は見守ってもらいやすいですが、40代で同じ態度だと不安に思われやすいので、ここは気をつけたい点ですね。
40代から新しいキャリアを始めるなら、プライドを保てる場所を持とう
というのも、40代くらいになると、会社で管理職や現場のリーダー、若手の指導役のポジションのポジションにつく人が多いと思うんですよ。
ですから、本業という「自分のプライドを保てる場所」を持っておいたほうが、精神衛生上いいと思います。今からチャレンジされる方には「僕のように無計画に仕事を始めないように!」とお伝えしたいですね。
インタビューは一発勝負なので、その場で話を引き出せなかったら終わりです。間違った知識を披露したら信用を失うこともあります。
そんな失敗をしないためには、勉強して知識をつけることが欠かせません。ですから、ぜひ勉強が好きな人にチャレンジしてほしいなと思います。
さいごに
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