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40代未経験からインタビューライターに! いい取材のために欠かせないスキルとは?

40代未経験からインタビューライターに! いい取材のために欠かせないスキルとは?

  • インタビューライターになるにはどうしたらいいの?
  • 40代未経験からインタビューライターになれる?
  • いい取材をするためにはどんな力が必要?

今回はこんなお悩みにお答えするために” 芦田おさむしさん” (以下、おさむしさん)に話を伺いました。

おさむしさんは40代未経験からライターの道を志し、現在はインタビュー案件を中心にさまざまな仕事を手掛けられています。格闘家や大学教授、起業家など、幅広い人へのインタビューなど豊富な経験をお持ちです。

インタビューをするときの具体的なコツや、40代のWebライターに向けたエールも話していただいたので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

脱サラしてライター活動を開始! 収入が3分の1以下に……。

ゆらり
ゆらり
おさむしさん、よろしくお願いいたします。最初に自己紹介をお願いいたします。
”芦田おさむし” という名前で活動しています。本名は手塚裕之です。前職はゲーム会社で運営ディレクターの仕事をしていましたが、2018年12月に脱サラしてライター活動を始めました。
中間管理職として上司と部下の板挟みになったことや、長時間労働が常態化したことから鬱のような状態になり、退職を決意したんです。

WebライターになってからはSEO記事の執筆からスタートして、その後格闘技メディアでの記者活動を経て、現在はビジネス系のインタビュー案件をメインに活動しています。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
40代未経験から新しい仕事を開始されたんですね。最初はやはり大変でしたか?
当時はランサーズやクラウドワークスで仕事をしていましたが、1文字0.3円や0.5円の案件ばかりで、いくら書いても収入が増えない日々が続きました。

会社員だった前職の収入に比べると3分の1ほどに落ち込んだ時期もあり「このままで大丈夫かな?」という不安はありましたね。

ただ、幸いなことに、比較的早い段階で大量発注していただけるお客様に出会えたので、月10万、20万と順調に稼げるようになっていったんです。生存の危機を感じるほどの過酷な状況には陥らずに済みました。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
最初の仕事はどのような内容だったのでしょうか。
最初に手がけたのは、ゲーム会社の実務経験を活かして受注した、スマホゲームアプリのレビュー記事でした。単価は2,000文字で700円くらいだったと思います。

他には、海外の観光スポットを紹介する単価0.8円のコラム記事も執筆しました。この記事を大量に発注してもらったので、3ヶ月目には月20万円ほど稼げるようになったんですよ。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
海外旅行の経験を活かして書かれたのでしょうか?
実は、海外に行った経験はほぼありません。会社員時代に出張で台湾と中国に行ったことがある程度。コラム記事に書いたイタリアについてはネットでひたすら調べました。

当時はよく言われていた「知らないことでも、調べれば記事を書ける」という言葉の意味を実感しましたね。今思えば、よくあれだけ書けたなと我ながら感心します。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
クラウドソーシングからスタートして、自分のやったことがないジャンルについて調べながら記事を書くという、王道からのスタートだったのですね。

大好きな仕事に出会ったものの、収入面の問題が浮上

ゆらり
ゆらり
その後はどのようにしてステップアップされたのでしょうか?
Webライター界隈で有名だった方のオンラインサロンに入り、格闘技メディアのライター案件を紹介いただいたことが転機となりました。

格闘技観戦がもともと大好きだったので、オンラインサロン内で募集している案件を見つけてすぐに応募したんです。この案件で、本格的な取材の基礎を学びました。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
初めての取材案件は緊張しませんでしたか? 
緊張よりも興奮のほうが大きかったです。報酬をいただいて、好きな選手にインタビューできるなんて夢のような気持ちでした。
取材中は感極まって涙ぐんでしまうほど。「この仕事が自分の生きる道だ!」と思いましたね。
おさむしさん
おさむしさん
ただ、いくら仕事が好きでやりがいを感じても、1年ほどは月収20万円台が精一杯だったので厳しかったですね。

格闘技メディアで執筆したのは、1,000字くらいのニュース記事のようなものだったので、ボリュームが少ないぶん、単価は決して高くなかったんですよ。

そんな時期に、3,000〜5,000字を超えるような一般的なインタビュー案件は、1本あたり2~3万円で受注できると知り、徐々にそちらにシフトすることにしました。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
どのようにシフトしていったのですか?
格闘技メディアで培った取材経験を武器に、「マイナースポーツの選手にインタビューするメディア」に営業して、採用いただきました。
格闘技メディアのインタビューは、試合のあとに5~10分ほど話を聞く程度だったんです。
新しく受けたこの案件で、がっつり1時間取材をする経験ができたのは、本当に勉強になりました。
おさむしさん
おさむしさん
また、コロナ前のこの時期に、先輩ライターが募集していた「起業家へのインタビュー現場に新米を同行させる」という企画に応募して、連れて行ってもらいました。

その企画では、現場でインタビューを直に見せてもらうだけでなく、記事の執筆も記名で任せていただいたんです。ビジネスに関するインタビュー記事を初めて書きました。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
格闘技というニッチな分野から、スポーツ全般、そして企業担当者の取材と、守備範囲を広げていったのですね。
マイナースポーツのメディアではロングインタビューを経験し、起業家の取材同行企画では、ビジネス系インタビュー記事の実績をつくれました。

この2記事を武器にして、ポートフォリオやランサーズのプロフィールに載せて営業したんです。すると、企業の自社メディアに載せる、社員インタビューの依頼が来るようになりました。

おさむしさん
おさむしさん
社員インタビューを手がけるようになったことが、単価面でも大きな転機になりました。ようやく1本3万円という、昔憧れていた金額をもらえるようになったんです。ライター3年目の終わり頃でした。
おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
インタビューライターとして単価を上げていくには、時間がかかるものなのですね。
僕の場合、最初の1年間の仕事は「5~10分ほどの短時間のインタビュー案件」がメインだったので、少し回り道をしてしまいました。
これからインタビューを始める方は、最初から1時間を超えるような取材案件に積極的に取り組めば、もっと短い期間で単価アップできると思います。
おさむしさん
おさむしさん

「これ以上の緊張感はない」と思うような取材が自信につながる

ゆらり
ゆらり
社員インタビューをこなすなかで、大変だったエピソードはありますか?
一番印象に残っているのは、国内有数の一流企業の社員インタビューです。インタビューのために、建物に入ること自体に怖じ気づいてしまいました……。

しかも、初日から社長と役員の方々、合計3人のインタビューが控えていたんです。始まる直前まで吐きそうな気分でした(笑)。

おさむしさん
おさむしさん
「日本経済に大きな影響を与える方々」に話を聞くことは、インタビュー経験が浅かった自分にとって、二度とないくらいの緊張感がありました。
それをくぐり抜けられたからこそ、「これ以上の緊張はないだろう」と、その後の取材では自信を持てるようになりましたね。

僕のまわりのインタビューライターも、「大物やベテランと相対した経験が糧になった」とおっしゃる方は多いです。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
それは大変でしたね……! 1日に3人のインタビューをこなすだけでも、かなり体力が奪われそうですが、今はどのくらいの本数をこなされていますか?
基本的には1日1本ですが、たまに1日あたり3~5人にインタビューすることもあります。そういう日は疲れも出ますが、僕自身が仕事に慣れてきたので、そこまで大変さは感じません。
最初は100のエネルギーをかけた仕事でも、場数を踏むうちに、40くらいで済むようになってきます。
おさむしさん
おさむしさん

いいインタビューに欠かせない「事前準備」の極意

ゆらり
ゆらり
インタビューで話を引き出すためにやっていることはありますか?
基本的にはニコニコしながら話を聞き、内容に合わせたリアクションをします。

仏頂面で話を聞くよりも、ニコニコしながら聞くほうが相手も話しやすいですからね。
相手がこちらを笑わせようとしているときは、ちゃんと笑顔で反応する、といったことも意識しています。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
いいインタビューをするために大切なことはなんでしょうか?
徹底的な事前準備です。たとえば、社員インタビューをするのなら、会社の概要や課題、関連する社会問題、近い業界のビジネスモデルなどを頭に入れます。
念入りに下調べをしたことを感じ取ると、相手は深い話をしてくれるようになり、話が膨らみます。
おさむしさん
おさむしさん
さらに、他の視点も知っておくと「今お話いただいた内容について、こんな課題もありますがどうお考えですか?」と切り返しの質問ができるようになるんです。
たとえば、ニュースや新聞で見た社会問題を知っておき、それについて言及するとか。最近はSDGsへの取り組みをアピールする企業が増えているので、SDGsが掲げる具体的な指標を学んでもいいかもしれません。
そうすると、表面的な当たり障りのない受け答えではなく、ここだけの話も聞けるようになります。
おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
切り込んだ質問をすることが大切なのでしょうか?
そこまで深く突っ込む必要はありませんが、広く浅く色んな知識を身につけておくと、話のネタが増える、ということです。インタビューは1時間くらいのことが多いので、たくさんネタを持っておくと質問に困らなくなります。
おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
事前準備にはどのくらい時間をかけていますか?
ものによりますね。たとえば、社員インタビューでは、インタビュイー(インタビューを受ける人)の情報が全然見つからず、会社の情報や商品くらいしか調べられないこともあります。
短いと1時間くらいで打ち止めになりますが、長ければ半日くらいかけてネット記事を読むこともありますね。
おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
相手の情報がまったく見つからない場合は、どのようにインタビューをすすめるのでしょうか?
採用メディア向けの一般社員インタビューは、先方から提供される「聞いてほしい質問のリスト」に沿って進めることが多いです。
ですから、相手の情報がまったく見つからなくても「質問することがない!」という状態にはあまり陥りません。

変化を持たせたいときは、その前にインタビューした方の話を引き合いに出して、「他の方はこういうことをおっしゃっていましたが、ご自身はどうお考えですか?」と聞くこともあります。

おさむしさん
おさむしさん
インタビュー1人目のように、前のインタビュイーから得られる情報がないときは、事業内容や商品の紹介など、仕組みの話を伺うことが多いですね。
おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
インタビューの順番や、そのとき持っている情報によって質問の内容を変えることも大事なのですね。
全員の話を同じくらい深掘りできたらいいのですが……1人目と10番目を比べると、どうしても深掘りできるテーマは変わってしまうものです。
状況に応じてフレキシブルに対応することも、インタビュアーに求められるスキルだと感じます。
おさむしさん
おさむしさん

インタビュアーで居続けるためには「まとめ力」を鍛えよう

ゆらり
ゆらり
ご自身が、インタビューライターの仕事を続けられているのはなぜだと思いますか?
「お客さんが書いてほしい記事を納品できるから」に尽きると思いますよ。そんなに特殊なことはしていないです。

僕に限った話ではなく、お客さんに「ちゃんと仕事を片付けてくれるライター」と認めてもらえれば、インタビューライターの活動を続けられると思います。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
「仕事を片付けられるインタビューライター」になるための、特に重要なスキルは何でしょうか?
やはり一番は「まとめ力」ですね。「インタビュイーが話した内容をわかりやすく翻訳する」というニュアンスに近いかもしれません。

インタビューでは、話が前後したり脱線したりすることも多々あります。たとえば、10個ある質問項目の1番を聞いたはずなのに、8番の回答が返ってくる……というケースは、本当に多いです。

おさむしさん
おさむしさん
インタビュイーの話は、必ずしも理路整然としているわけではありません。
話の中から本質をくみ取り、読み手に伝わるストーリーに再構成したり、盛り上がるエピソードを冒頭に持ってきたりといった編集力も大切です。ときには、創作に近い形で文章を書く必要もあります。

どんなインタビューであっても、きちんと「読める内容」にまとめ直すのが、ライターの腕の見せどころだと思います。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
「まとめ力」を鍛えるために何をされましたか?
トレーニングとしてやっていることはないのですが、執筆時に意識しているポイントは2つあります。

ひとつ目は、表現の粒度を変えることです。インタビュイーのなかには、ふわっとした抽象的な話が多い方もいれば、細かい具体的な話が多い方もいます。

抽象的な話が多ければ全体的にぼやっとした記事になり、細かすぎる話が多ければ読んでいて疲れてしまうんですよね。
ですので、読み手にとってちょうどいい粒度になるように「抽象→具体」「具体→抽象」のフィルターをかけるような意識をしています。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
なるほど! もうひとつは何でしょうか?
もうひとつは、矛盾をバッサリ捨てることです。
何らかの成功を収めた方は、全員が確固たる信念を持っているわけではありません。徹頭徹尾、同じ行動原理を貫いているわけでもありません。

成長の過程で意見が変わることや、当時は本気であっても、振り返ると行き当たりばったりだった……というケースのほうが多いです。

ですので、もし執筆の時点で、気持ちの変化やストーリーに矛盾が生まれるのなら、そのエピソードはバッサリ切ります。たとえ話としては面白くても、記事全体のノイズになるようならカットします。

おさむしさん
おさむしさん

40代未経験のスタートでも年齢ならではのアドバンテージがある

ゆらり
ゆらり
40代からライターの道に進まれたとのことですが、年齢によるデメリットは感じますか?
集中力が続かない。疲れが取れにくい。目が老眼気味になってきた……など、数え出したらきりがありません(笑)。夜遅くになると、眼鏡をかけてもピントが合わなくて四苦八苦する日々です。

ただ、40代という年齢が武器になることもあります。ある程度年を重ねると「社会人としての信頼感」を感じてもらいやすいからです。
特に、会社員の経験年数が長い人なら「最低限のビジネスマナーは身についているだろう」と思ってもらえます。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
40代だから若い人よりも不利……と思う必要はなさそうですね。
ビジネス系のインタビューでは、40代や50代の役職者に話を聞くことも多いです。
そのときに、自分とインタビュイーの年齢が近いと、話が通じやすい部分もあります。

相手によっては、「年齢ならではの共通言語のようなもの」を持てるので、その点はアドバンテージだと思います。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
逆に気を付けたほうがいい点はありますか?
40代以上のインタビューライターは、腰は低くてもいいのですが、腰が引けている状態になってはいけません。
自信のなさは相手に伝わるので、初めての取材であっても、毅然とした態度で取り組んだほうがいいと思います。

自信がなさそうな20代は見守ってもらいやすいですが、40代で同じ態度だと不安に思われやすいので、ここは気をつけたい点ですね。

おさむしさん
おさむしさん

40代から新しいキャリアを始めるなら、プライドを保てる場所を持とう

ゆらり
ゆらり
40代からインタビューライターになりたい人に向けたアドバイスはありますか。
あまりポジティブな話ではないのですが、40代未経験からインタビューを始めると、プライドが傷つくかもしれないので、ぜひ副業から始めることをおすすめします。

というのも、40代くらいになると、会社で管理職や現場のリーダー、若手の指導役のポジションのポジションにつく人が多いと思うんですよ。

おさむしさん
おさむしさん
いざ会社をやめてライターになると、「自分が会社で培ってきたものがまったく通用しない世界」に身を置くことになります。ときには若手社員やアルバイトのような扱いを受けることもあるでしょう。

ですから、本業という「自分のプライドを保てる場所」を持っておいたほうが、精神衛生上いいと思います。今からチャレンジされる方には「僕のように無計画に仕事を始めないように!」とお伝えしたいですね。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
リアルなお話をありがとうございます。その他に伝えたいメッセージはありますか?
「知識がなくても話を聞ける人ならインタビューライターになれる」と言われることもありますが、厳密には違います。インタビューライターにとって、勉強して知識を得ることは必須です。

インタビューは一発勝負なので、その場で話を引き出せなかったら終わりです。間違った知識を披露したら信用を失うこともあります。
そんな失敗をしないためには、勉強して知識をつけることが欠かせません。ですから、ぜひ勉強が好きな人にチャレンジしてほしいなと思います。

おさむしさん
おさむしさん
ゆらり
ゆらり
おさむしさん、有意義なお話をありがとうございました。
ありがとうございました。
おさむしさん
おさむしさん

さいごに

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ゲスト:芦田おさむし(@osamushiwriting
ライター:ゆらり(@yurarigurashi
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