はじめに
Webライター向けオンラインコミュニティ「Webライターラボ」では、所属しているメンバーがコラムを書く企画があります。
今回紹介するのは講師をつとめる ”ゆらり” さんの連載コラムです。
ライター6年目のリアルな悩み
こんにちは! Webライターラボの講師をつとめるゆらりです。最初に簡単に自己紹介をします。
- 会社員時代に心を病んで2020年に独立したフリーランス
- SEO記事、インタビュー記事、Kindle制作、ブックライティングと幅広い仕事の経験あり
- 2024年11月に著書『ゆるゆる稼げる Webライティングのお仕事 はじめかたBOOK』を出版
今回のテーマは「フリーランス6年目の悩み。今後どうしたらいい?」です。
Webライター(≒SEOライター)のなかには、「得意ジャンル」を持つ人がいます。
たとえば金融系Webライターが書くのは、投資、相続、住宅ローンにまつわる記事などです。得意ジャンルがある人は、「何を書けるか?」がわかりやすいですよね。
私の場合は「Webライティングで稼ぐ方法について記事を書いてほしい」という依頼をよくもらいます。先ほどの例に置き換えると、「得意ジャンルはWebライティング」と言えるかもしれません。
「その分野の実績がある人」と捉えてもらい、仕事をいただけるのはとてもありがたいです。昨年、Webライティングに関する本を出版することもできました。
だけど、最近は「このままでいいのかな?」と悩むようになりました。というのも、Webライティングは、記事を書く手法のひとつに過ぎません。その手法を使って何について書けるのか? と聞かれたら、答えが出てこないからです。
今回のコラムでは、そんな私の悩みを共有します。
Webライターとして「タグ」が弱い
「今のままではまずいのでは?」と思ったきっかけは、自分のタグが弱いと感じたからです。「タグ」はさまざまな意味で使われますが、ここでは「得意ジャンル」や「ライターとしての強み」を指します。
以前、知り合いから「ライターの仕事をしているんだ! 何について書いているの?」と聞かれたことがあります。「ライターになる方法について書いている」と答えたら、「ん?それってどういうこと?」という顔をされました。
その人は「Webメディアでビジネス系の記事を書いている」「著名人のブックライティングをしている」などの答えを予想していたようです。
私はWebライターとして色々なジャンルの記事を書きましたが、「これが得意」と言い切れるタグが今のところありません。
以前は「Webライティング」が自分を表すタグでした。しかし、AI時代が到来した今、Webライティングだけを強みにするのは限界があると感じています。
ライター6年目でも新しいジャンルの仕事は獲得しづらい! ではどうする?
タグの弱さを感じた私は、自分の経験を振り返り「全国250軒以上の銭湯やサウナ施設に行ったこと」「30種類以上の植物を栽培していること」は強みになるかもしれない、と考えました。
思い立ったが吉日、すぐに新規営業を開始。銭湯やサウナ、植物のWebメディアを片っ端から調べて、問い合わせフォームから営業のメッセージを送りました。
しかし、検索してヒットしたWebメディアにメッセージを送っても、返事すらきません。
「Webライター6年目になり実績はそこそこあるので、すぐに受注できるのではないか」という淡い期待は、すぐに打ち砕かれました。
同じ時期に、とあるライターの方から話を聞く機会がありました。その人いわく「何冊も本を書くようなライターであっても、新しいジャンルの仕事依頼をもらえる確率はかなり低い。ようやく仕事をもらえても、1記事数千円程度からのスタートになる」のだそうです。
たしかに、私はWebライティングの記事はたくさん書きましたが、銭湯やサウナ、植物の記事を書いた経験はゼロ。
ライターとして活動歴が長くても、まったく別ジャンルの記事を書くのであれば、初心に立ち返って地道な努力を積まなくてはいけないのでしょう。タグをつくるのはそう簡単ではないと感じました。
今書いているメディアに提案する
書きたいジャンルの実績がなければ、Webメディアに新規営業しても成功するのは難しい。そう感じた私は、今執筆しているメディアで、銭湯や植物にまつわる記事が書けないか考えることにしました。
例えば、私が執筆しているローカルメディアでは、主に飲食店の取材を担当しています。てっきり「飲食店の取材しかできない」と思っていたのですが、メディアをよく見ると、飲食店に限らず新規オープンしたお店や、地域のイベント情報の記事もあります。
そこで思いついたのが、「直近で銭湯や植物にまつわるイベントがあったら、取材させてもらえるかもしれない」ということ。調べてみたところ、植物の苗や園芸雑貨のイベントの開催情報を見つけました。
さっそくクライアントに提案し、無事OKをいただきました。
他にも記事になりそうな情報を探して、めぼしい取材先が見つかったら都度クライアントに提案しています。
クライアントにメッセージを送って思ったのは、「書きたいテーマがあるのなら気軽に提案して大丈夫」ということ。
メッセージを送るときは多少緊張したのですが、何件か提案した後は、さほどプレッシャーを感じなくなりました。
提案するだけなら、特に失うものはありません。企画が通らなくても、タイミングや場所が違えば通る可能性もあるでしょう。
ダメだったとしても「まあそういうこともある」と考えて、種をまき続けることが大事だと感じています。
タグをアピールする
タグをつくるためにもうひとつ意識しているのは、「自分はこの分野に詳しいし、好きですよ」というアピールをすることです。
わかりやすい例だと、温泉や植物にまつわる資格の勉強をしています。試験日程が先なので、まだ取得はできていませんが、現在勉強中である旨はポートフォリオに書いています。
また、今までは「全国200軒以上の銭湯やサウナ施設をまわった」と言っていたのですが、その詳細を記録していなかったので、サウナアプリのレビュー投稿もはじめました。
営業活動だけでなく、こうした活動をプロフィールに書き加えることも大事だと感じています。
タグをつくる活動はおもしろい
Webライターとしてタグをつくるために色々と種まきしている私ですが、無事にタグができるかはわかりません。
それに、仮にタグができたとして、その道で食べていけるかどうかも定かではありません。
ですが、今言えるのは「自分が書きたいジャンルを極めるのは楽しいし、記事のネタを見つけて提案するのはおもしろい」ということ。
以前の私は受け身のライターで、もらえる依頼をひたすらこなしていました。
でも、タグをつくろうと思い手を動かしたら、ワクワクを感じる瞬間が各段に増えました。
Webライターとしてタグをつくることは、AI時代にますます重要になると思います。
今タグを持っていないと感じる方がいたら、今回のコラムが参考になれば幸いです!
さいごに
Webライターラボは「AI時代でも長く生きつづけるライターになろう」をコンセプトにしたオンラインコミュニティです!
興味がある方は、オーナー中村の無料メルマガをチェックしてみてください。
Webライターの仕事に欠かせない「文章力」を上げるコツを配信しています◎
筆者:ゆらり(@yurarigurashi)
監修:中村昌弘(@frelance_naka)