はじめに
Webライター向けオンラインコミュニティ「Webライターラボ」では、所属しているメンバーがコラムを書く企画があります。
今回紹介するのは、コミュニティマネージャーの ”大江かこ” さんの連載コラムです。
いつもの日常からアイディアは生まれにくい
在宅ワーカーやフリーランスの人は、自宅にこもりきりの人も多いのではないでしょうか。私自身もフリーランスになってから、外出の機会がかなり減ってしまいました。
でもそのような状況に甘んじていると、月1で連載しているこのコラムでさえ、ネタが思い浮かばないことも……。
先日友人に誘われて映画館を訪れたとき、在宅ワーカーは積極的に外に出ることが大事だと、改めて実感しました。
非日常の空間で、自分が普段選ばないジャンルの映画を観たとき、多くの刺激を受けたからです。
友人の選んだ映画を見たら、色々と思考できた
先日、友人のY子が選んだ映画を見に行ったとき、色々な思考ができました。Y子が好む映画は『かもめ食堂』などのほっこり系。
私自身はスパイ映画やサスペンス映画を選ぶ傾向にあるので、Y子の好みとは180度違います。でも「あえていつもと違うジャンルを見たい」と思っていた私は、今回Y子に作品選びを任せました。
今回Y子が選んだのは『ポトフ 美食家と料理人』という映画です。
映画の舞台は、19世紀末のフランスの片田舎。美食家ドダンと、彼が閃いたメニューを完璧に再現する天才料理人ウージェニーの人生を描いた作品です。
私がこの映画を見て一番驚いたのは、劇中で音楽が使われていないこと。
冒頭15分ほど料理をつくるシーンが続くのですが、音楽がないことでリアルに感じられました。
たとえば包丁で魚をさばく音、オーブンの開閉音、俳優の息づかいなど。
手際よく調理する様子を淡々と撮影しているからこそ、ひとつひとつの音や動作が際立ち、すぐ近くで作業しているような臨場感を得られたのです。
監督のトラン・アン・ユン氏も、第36回東京国際映画祭に登壇した際「料理をする時にはたくさんの仕草が連続して存在しており、豊かな音があふれている」と語っています。
もし料理をつくるシーンで、テンポの早い音楽が使われていたら、厨房の慌ただしさや作業のスピード感が印象に残ったでしょう。
もちろん、音楽があることで作品の世界観が伝わりやすい面はあります。でも、見ている側の感情に何らかの影響を与えてしまうことも確かです。
私はスクリーンを見ながら「映画の撮影は、文章を書く行為に似ているな」と考えていました。
音楽や効果音に頼らず、物語を淡々と表現する手法は、文章に置き換えると「大げさに書きすぎない」ということにもつながります。
私が思う大げさな文章とは「底抜けに明るい」「最高に美味しい」など。
このように書いてしまうと、書き手の感情に引っ張られて、読者は「自分がどう感じたか?」を想像しにくくなってしまいます。
一方で情景を淡々と表現すれば、同じ場面でも読者が抱く感情はそれぞれ違うものになります。読者に「どう感じたか?」を想像してもらった方が、内容が記憶に残り、心が動くと感じたのです。
私は映画を見終わったとき「情景を淡々と表現しながら、人の心を動かせる文章が書きたい」と思っていました。
このような発見ができたのも「映画館で友人の選んだ映画を見る」という非日常の体験をしたからです。
在宅ワーカーは外に出よう
今回、非日常の体験から色々な思考ができました。もし自宅で自分の好きな映画を見ても、このような体験はできなかったでしょう。
今の世の中はYouTube、Instagram、TikTokなど、様々なプラットフォームが自分の趣味趣向に最適化されている時代。外にでなければ非日常をつくることは難しいと感じます。
だから時には、行ったことのない場所や、普段は選ばないものをあえて選択する機会も必要です。新しい発見を得るためにも、在宅ワーカーは積極的に外に出るといいですよ。
ぜひ試してみてください!
さいごに
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筆者:大江かこ(@kakoworks1)
編集:ゆらり(@yurarigurashi)