- 介護系の資格や職務経験はライターの仕事に活かせる?
- どのように介護ジャンルの仕事を探せばいい?
- 介護ライターのモデルケースを知りたい!?
今回はこのようなお悩みにお答えして、ケアマネライターとして活躍している ” 中谷ミホさん” さんにお話を伺いました。
中谷さんは介護福祉士、ケアマネジャー、社会福祉士の資格を持ち、介護現場で20年の職務経験を経てライターになりました。
プライベートでは中学生、高校生のお子さんを育てているママでもあります。
現場で培った知見をどのようにライターの仕事に活かしたのか? 営業方法や記事を書くコツについてお聞きしています。
介護ライターのキャリアアップに興味がある方はぜひご覧ください。
目次
ケアマネージャーの肩書は武器になる! 強みを活かせるメディアを探すコツ
ゆらり
中谷さん、本日はよろしくお願いいたします。最初に自己紹介をお願いできますか?
介護や福祉の特化ライターとして活動している中谷ミホです。
ライター歴は2年ほど。介護系メディアでの執筆が多いですが、金融系や不動産系など、複数のメディアで執筆経験があります。
ライター歴は2年ほど。介護系メディアでの執筆が多いですが、金融系や不動産系など、複数のメディアで執筆経験があります。
中谷さん
ゆらり
さっそくですが、中谷さんのポートフォリオを拝見したところ、記名記事が豊富という印象を受けました。案件を獲得するポイントを教えていただけますか?
自分の強みを把握してアピールしたのがよかったかもしれません。
私は「ケアマネージャーの資格があるライターだから」という理由で執筆依頼をいただくことが多いんです。
私は「ケアマネージャーの資格があるライターだから」という理由で執筆依頼をいただくことが多いんです。
中谷さん
だから、介護系の資格を複数持っていますが、ケアマネージャーの肩書を特にアピールしました。SNSでは「ケアマネライター」という肩書を使っています。
すると、ネット検索やSNS検索で知ってもらえる機会が増えて、営業しなくても依頼をいただけるようになりました。
すると、ネット検索やSNS検索で知ってもらえる機会が増えて、営業しなくても依頼をいただけるようになりました。
中谷さん
ゆらり
介護ジャンルの単価はどのくらいでしょうか?
私の経験では、文字単価2円以上が多く、高いと7円や8円になることもあります。
もちろん最初からその単価ではなかったのですが、メディアに直接営業をしたり、実績を積み上げたりしたら、希望単価通りに発注いただけるようになりました。
もちろん最初からその単価ではなかったのですが、メディアに直接営業をしたり、実績を積み上げたりしたら、希望単価通りに発注いただけるようになりました。
中谷さん
ゆらり
営業活動は具体的にどのようにされましたか?
自分の強みとマッチするメディアを探して、問い合わせフォームなどから提案文を送りました。ポイントは、企画を必ず添えることです。
中谷さん
たとえば金融系のメディアなら「介護施設の利用料に関する記事を書けます」のように、記事のテーマを提案します。
そうすると「ではそのテーマで執筆をお願いします」と言っていただけることが多いです。
そうすると「ではそのテーマで執筆をお願いします」と言っていただけることが多いです。
中谷さん
ゆらり
介護系メディアだけでなく金融系メディアにも提案するのですか?
はい。金融や不動産、ライフスタイルなど、さまざまなメディアで介護の記事は需要があります。
たとえば、不動産系のメディアで「特別養護老人ホームとはこんな施設です」という記事を書いたこともあります。
そのメディアは、運営元の会社が高齢者向けの賃貸住宅を建築していたんです。
たとえば、不動産系のメディアで「特別養護老人ホームとはこんな施設です」という記事を書いたこともあります。
そのメディアは、運営元の会社が高齢者向けの賃貸住宅を建築していたんです。
中谷さん
その他には「40代前後の女性に向けたメディア」にも、よく営業しています。
ファッションやライフスタイル系のメディアには、女性の健康や福祉に関する記事を掲載するところもあります。
40代になると、親の介護が現実的な問題になってくるんですよね。
そのような背景を踏まえて「介護の記事を掲載しませんか?」と営業すると、受注できることもあるんです。
ファッションやライフスタイル系のメディアには、女性の健康や福祉に関する記事を掲載するところもあります。
40代になると、親の介護が現実的な問題になってくるんですよね。
そのような背景を踏まえて「介護の記事を掲載しませんか?」と営業すると、受注できることもあるんです。
中谷さん
ゆらり
なるほど。一見介護と関係なさそうに見えるジャンルでも、需要が高いメディアがあるんですね。
日頃から「このメディアは介護と関わりがないかな?」とアンテナを張っておくと、営業先を見つけやすくなります。
たとえば私は、他のライターさんがXで「こんな記事を書きました」と投稿しているのを見て、自分も営業できないかな? と考えることが多いです。
たとえば私は、他のライターさんがXで「こんな記事を書きました」と投稿しているのを見て、自分も営業できないかな? と考えることが多いです。
中谷さん
もしくは、リサーチをする中でめぼしいメディアを見つけたら、都度スプレッドシートに記録して、営業先リストに追加しています。
中谷さん
ゆらり
介護系のライターがキャリアアップするには、どんなことをしたらいいでしょうか?
ライターをするうえで最大の武器になるので、介護系の資格を持っているのならどんどんアピールするべきです。
最初のうちはプロフィールに資格を箇条書きに記載して、活動するなかで武器になるものを見つけるのがおすすめです。
実務経験についても、働いたことのある施設などをしっかりプロフィールに記載するといいと思います。
最初のうちはプロフィールに資格を箇条書きに記載して、活動するなかで武器になるものを見つけるのがおすすめです。
実務経験についても、働いたことのある施設などをしっかりプロフィールに記載するといいと思います。
中谷さん
ゆらり
資格がなくても介護ライターとして活躍できるでしょうか?
資格や実務経験がなかったとしても、介護経験があれば当事者目線の記事を書けます。
そういう記事を求めるメディアも多いので、一次情報を提供できる点をアピールすれば、案件は獲得できると思います。
そういう記事を求めるメディアも多いので、一次情報を提供できる点をアピールすれば、案件は獲得できると思います。
中谷さん
テーマ探しのポイントは、一次情報のヒアリングと本を読むこと
ゆらり
継続依頼をもらうコツを教えていただけますか。
私は執筆スピードが遅いほうなのですが「丁寧に書いてくださってありがとうございます」と、褒めていただくことはよくあります。
他には、テーマ選びがよかったのか、とある記事のPV数が高かったようで、原稿料に追加する形でボーナスをいただけました。
他には、テーマ選びがよかったのか、とある記事のPV数が高かったようで、原稿料に追加する形でボーナスをいただけました。
中谷さん
ゆらり
追加ボーナスは嬉しいですね。どうやって需要の高いテーマを見つけるのでしょうか?
特によかった方法は、リアルなエピソードを聞くことです。
実はクライアントの担当者さんが介護をされていて、実際に困った話を伺いながら、テーマ出しのヒントを得ています。その方を読者だと想定して、記事を執筆することもよくあります。
実はクライアントの担当者さんが介護をされていて、実際に困った話を伺いながら、テーマ出しのヒントを得ています。その方を読者だと想定して、記事を執筆することもよくあります。
中谷さん
ゆらり
リアルな話が聞けると筆が進みそうですね。
そうですね。実際に担当者さんから「親が倒れたときに、まずどこに相談すればいいのかわからなかった」とお伺いして、介護の相談ができる窓口を記事にまとめました。
その他にも、遠距離介護ならではの食事の悩みについてヒアリングして、訪問介護の調理サービスや宅配サービスの紹介記事も書きました。
その他にも、遠距離介護ならではの食事の悩みについてヒアリングして、訪問介護の調理サービスや宅配サービスの紹介記事も書きました。
中谷さん
そうですね。私のような「介護に慣れてしまった人」は、「これから介護を始める人」がつまづくポイントを見逃しがちです。
実際に介護をしている方からプライベートな相談をしていただけるのは、本当にありがたいですね。
実際に介護をしている方からプライベートな相談をしていただけるのは、本当にありがたいですね。
中谷さん
ゆらり
その他のテーマの探し方についても教えていただけますか。
介護の本を読むこともおすすめです。『親が倒れたときに読む本』『介護を始める入門書』のような本を読めば、読者がどんな情報を求めているのかわかります。
本屋に行って棚を眺めると、親の介護、介護保険、介護記録のつけ方……と、それぞれ本の切り口が違うのでとても勉強になります。
本屋に行って棚を眺めると、親の介護、介護保険、介護記録のつけ方……と、それぞれ本の切り口が違うのでとても勉強になります。
中谷さん
ゆらり
本を読んでヒントを得る。介護以外のジャンルにも応用できるリサーチ方法ですね。ニッチなお悩みを探すこともありますか?
記事のネタが出てこないときは、介護系メディアのQ&Aコーナーを見ています。
Yahoo!知恵袋のように、ユーザーが悩みを投稿して他の人が回答するページがあるんです。
施設とのトラブル事例やケアプランの立て方など、細かな悩み事も載っているので、こうしたメディアはネタの宝庫です。
Yahoo!知恵袋のように、ユーザーが悩みを投稿して他の人が回答するページがあるんです。
施設とのトラブル事例やケアプランの立て方など、細かな悩み事も載っているので、こうしたメディアはネタの宝庫です。
中谷さん
参考:ケアマネドットコム
ゆらり
メディアに直接営業するときに、そういったQ&Aを見てから記事のテーマを練って提案文を送るのもよさそうですね。
介護の実務経験が活きるのは、ライターとして一番嬉しい瞬間
ゆらり
そもそもの話になるのですが、中谷さんがライターを始めたきっかけを教えていただけますか?
体力やメンタルを考えると、介護の仕事を続けるのはしんどいな……と思ったことです。もともと文章を書いたり読んだりすることがとても好きだったので、ライターになろうと決めました。
こんなに長く続けるとは予想していなかったのですが、思った以上にハマってしまったんですよね。この仕事を続けたい! という一心で活動を続けて今に至ります。
中谷さん
ゆらり
どんなときに仕事のやりがいを感じますか?
段階的に単価が上がっていくと、スキルが評価されていることが実感できて嬉しいですね。
その他には、担当者の方に原稿を読んでもらって「こんな介護サービスがあったんですね。知りませんでした」と感想をいただけると、今までの経験が活きてよかったなと思えます。
その他には、担当者の方に原稿を読んでもらって「こんな介護サービスがあったんですね。知りませんでした」と感想をいただけると、今までの経験が活きてよかったなと思えます。
中谷さん
ゆらり
介護ライターとして活動するなかで、失敗した出来事はありましたか?
ライターになって3か月くらいのときに、超大手企業の案件をいただいたのですが、数回きりで契約が終了しました……。
力不足もあったと思いますが、好き勝手に色々要望を伝えたのが、おそらく一番大きな要因です。コミュニケーションの仕方を見直すきっかけになりました。
力不足もあったと思いますが、好き勝手に色々要望を伝えたのが、おそらく一番大きな要因です。コミュニケーションの仕方を見直すきっかけになりました。
中谷さん
ゆらり
今はコミュニケーションする際に気を付けていることはありますか?
「自分を選んでもらったのはありがたいこと。お役に立てるよう頑張る」という意識を忘れないことですね。もしやり取りで上手くいかないことがあっても、オブラートに包んで要望を伝えています。
中谷さん
やり取りの例
予定日になっても構成案が送られてこない。クライアントに連絡をしたところ「構成案のチェックが遅れているので、もう少し待ってほしい」と言われた。
△ 「困ります! 納期を変更してください!」
◎「スケジュールの関係で、◯日までに構成案のチェックが終わらないようでしたら、納期はあらためてご相談させてもらえるとありがたいです。」
このように、テキストコミュニケーションでも気持ちのいいお取引ができるように心がけています。
前職の介護の仕事では、クライアントとのやり取りや営業活動をする機会はなかったんですよね。だから、ライターの仕事をひとつずつこなしながら、お作法を覚えていきました。
前職の介護の仕事では、クライアントとのやり取りや営業活動をする機会はなかったんですよね。だから、ライターの仕事をひとつずつこなしながら、お作法を覚えていきました。
中谷さん
介護ライターの今後は? 公的制度をわかりやすく解説する力が求められる
ゆらり
介護の市場はこれから拡大すると言われていますが、中谷さんは記事を書いていてそういった感覚はありますか?
少子高齢化で「身内の介護が当たり前」という時代がきたら、介護に悩む人は増えると思われます。
今以上にニッチな悩みが出てくる可能性もあるので、そうするとWebメディアの介護記事の需要は増えていくかもしれません。
今以上にニッチな悩みが出てくる可能性もあるので、そうするとWebメディアの介護記事の需要は増えていくかもしれません。
中谷さん
また、介護保険という公的な制度があるので、介護ライターの需要はなくならないと思います。
介護保険はわりと頻繁に法改正があるんです。Webメディアを通して変更箇所をわかりやすく伝える……というのは、介護ライターの重要な仕事になると思います。
介護保険はわりと頻繁に法改正があるんです。Webメディアを通して変更箇所をわかりやすく伝える……というのは、介護ライターの重要な仕事になると思います。
中谷さん
ゆらり
法改正後の制度解説となると、新しい情報をキャッチアップする必要がありそうですね。
最新の情報を知る方法はありますか?
最新の情報を知る方法はありますか?
私はケアマネージャー専門の情報サイトを活用しています。
そのサイトでは、実務に従事するケアマネージャーに向けて、法改正の情報や厚生労働省の文書をアップしているんです。
無料登録すれば最新のニュースを受け取れるので、介護ライターの役に立つと思います。
そのサイトでは、実務に従事するケアマネージャーに向けて、法改正の情報や厚生労働省の文書をアップしているんです。
無料登録すれば最新のニュースを受け取れるので、介護ライターの役に立つと思います。
中谷さん
参考:ケアマネジメントオンライン
忙しくても家族とのコミュニケーションをしっかり取る。プライベートとの両立
ゆらり
中谷さんはお子さんを育てるママさんでもありますよね。プライベートと仕事の話もお聞きしてよろしいでしょうか。
中学生と高校生の子どもがいます。
二人とも大きいのでそこまで手はかからないものの、私が夜遅くまで作業したから、朝のお弁当づくりができなかった……といった失敗もあります。
二人とも大きいのでそこまで手はかからないものの、私が夜遅くまで作業したから、朝のお弁当づくりができなかった……といった失敗もあります。
中谷さん
仕事で頭がいっぱいだと、子どもに話しかけられても上の空になってしまうこともあるんですよね。だから今は仕事があっても、なるべく家族といるときはしっかりコミュニケーションをとるよう心がけています。
どんなに遅くとも、仕事は23時までに切り上げるようにしています。
どんなに遅くとも、仕事は23時までに切り上げるようにしています。
中谷さん
ゆらり
普段の仕事はどのように進めていますか?
週単位で目標本数を設定するスタイルが自分には合っています。
1日単位で「今日中にこの記事を書く」と決めても、執筆中に悩んだときに停滞してしまうんですよね……。
複数の記事を同時進行で進めて、筆が進まなくなったら次に行く! という書き方が好きです。
1日単位で「今日中にこの記事を書く」と決めても、執筆中に悩んだときに停滞してしまうんですよね……。
複数の記事を同時進行で進めて、筆が進まなくなったら次に行く! という書き方が好きです。
中谷さん
ゆらり
今後挑戦したい仕事や、やってみたいことはありますか?
ライターとして質を上げるために、スクールに入って校正の勉強を始めました。今後は校正やディレクションにも挑戦したいです。
中谷さん
最近はよくオフ会にも顔を出していて、色々なライターさんと話して新しい刺激をたくさんもらっています。日々勉強しながら、仲間と一緒にステップアップできると嬉しいです。
中谷さん
ゆらり
中谷さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
ありがとうございました。
中谷さん
◆さいごに
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