はじめに
Webライター向けオンラインコミュニティ「Webライターラボ」では、所属しているメンバーがコラムを書く企画があります。
今回紹介するのはメンバーの ”ゆらり” さんの連載コラムです。
依頼が絶えるのは “クライアントの意図からズレるから”
Webライターのみなさんは、クライアントから継続依頼をいただいているでしょうか。
なかには「単発で終わってしまう」「数回納品したけれど、その後の依頼はない」のようなケースもあると思います。
私も初心者の頃、こうした経験を何度もしました。あまりにも単発で終わることが多いので、何度も営業をして疲弊した時期もあります。
でも、今は継続して依頼をしてくださるクライアントがいます。
依頼が終わってしまう理由はさまざまですが、私の経験上「クライアントの意図からズレているから継続が終わるケース」が多いです。
意図からズレないためには、記事制作の土台となる考え方を知っておくことが大切です。
そこで今回は、どんな仕事にも共通する「知っておくべき情報」を3つ紹介します。
案件に着手する前に、以下の情報を得ることを意識してみてください。
- 誰に何をどうやって伝えたいのかを知る
- そのコンテンツの目的を知る
- 求められないことを知る
それぞれ解説します。
1. 誰に何をどうやって伝えたいのかを知る
1つ目は、クライアントが誰に何をどうやって伝えたいのか知ること。
このコラムを例にあげましょう。
- 誰に:Webライターの人に
- 何を:クライアントから継続依頼をもらう方法を
- どうやって伝える:コラムを通して伝える
こうした情報を最初に把握すると、クライアントの意図からブレにくくなります。
このコラムで伝えたいことは「クライアントから継続依頼をもらうために知るべき情報」なので、もしコラムのなかで「仕事が獲得できなくても、落ち込まずに次にすすみましょう!」のような話をはじめると、違和感がありますよね。
そのような情報を書くと、クライアントは「誰に何を伝えたいのかをきちんと把握していないライターなんだな」と思うかもしれません。
ではどうやって把握すればいいか? まずはレギュレーションを読むといいでしょう。
そこにクライアントの想定読者やメディアの目的が書かれているケースがあります。
次に、メディアの紹介ページもチェックしましょう。メディアの方針が書かれている場合があるからです。
もし情報が見つからない場合は、自分なりに「誰に何をどうやって伝えたいのか」の仮説を立ててみてください。
原稿を書く前にあらかじめ決めるだけで、記事の内容が大きくブレるのを防げます。
もし仮説が正しいか心配な場合は、「この記事は〇〇という方に◎◎を伝えるという目的で合っていますでしょうか」と、クライアントに確認してみましょう。
「誰に何をどうやって伝えるか」は、メディアの方向性を決める、木の幹のようなものです。この情報がわからないままだと継続依頼をいただくことは難しくなるので、必ずチェックしましょう。
2. コンテンツの目的を知る
2つ目は、コンテンツの目的を知ること。
目的を把握しないまま制作に入ると、クライアントの意図からズレやすくなります。
SEO記事ひとつとっても、ただ読者の役に立つ情報を書けばいいわけではありません。
商品の成約やブランドのファンづくりなど、どの記事にも「目的」があります。
たとえば、SEO記事から集客をして10万円のオンライン講座に成約させたいとしましょう。
10万円は、そこそこの金額なので「高価格帯」と言えると思います。
このときに記事内で「無料で学べる教材を使えば十分です」と書いたら、読者は商品を購入しようとは思わないですよね。
このように、コンテンツの目的を把握していないと、クライアントの意図からズレる記事をつくる可能性が高まります。
自分が手掛けるコンテンツからどんな商品を訴求するのか、一度時間をとってリサーチしてみてください。手間をかけてこうした作業をするだけで、継続依頼につながる可能性が上がります。
3. 求められないことを知る
3つ目は、求められないことを知ることです。
「求められないこと」の粒度はさまざまですが、たとえば以下が該当します。
- クライアントは客観的な情報を書いてほしいのに、ライターが自分語りをしてしまう
- 質は70%でいいから記事をスピーディーに書いてほしいのに、100%を目指して納期ギリギリまで粘る
- 迷ったときは柔軟に考えて行動してほしいのに、ひとつひとつ質問して確認を取る
こうした求められないことを知る行為は、「察知する」というニュアンスに近いです。
各ライターに伝えていたら時間がなくなってしまいますから、クライアントはあえて口にしないこともあるでしょう。
そのため、ライターは自分からリサーチして「求められること」「求められないこと」を知る必要があります。
たとえば、記事のなかで「書いてほしくないこと」を知るためには、既に公開されている記事を読み込んだり、レギュレーションをチェックしたりすることがおすすめです。
「仕事をすすめるうえで求められないこと」を知るのなら、同じ案件に携わる他のライターとのやり取りを見てみるのもいいと思います。
その案件で継続依頼をもらっている他のライターは、クライアントの好みを熟知しているかもしれないからです。
もし他のライターとのやり取りが見られないのなら、クライアントとオンラインでミーティングしてもいいでしょう。
相手の顔や話し方がわかると、「せっかちな人」「大雑把な人」など、キャラクターが垣間見えるからです。こうした情報は、仕事をすすめる際のコミュニケーションに役立ちます。
継続依頼をもらっているライターは、記事の質を高めるだけでなく、クライアンの好みやキャラクターを知ることも重視しています。
こうしたことも次の仕事を獲得できるかどうかのポイントになるので、ぜひ意識してみてください。
クライアントの意図を把握して継続依頼を獲得しよう
今回紹介した項目は、仕事をする際に意外と見落としがちだと思います。
初心者の頃の私は、これらを一切把握せずに記事を書いていたので、依頼が1回きりで終了してしまうことばかりでした。
ですが、案件のベースとなる情報をきちんと知ることを心がけたら、仕事に困らなくなりました。
あらためておさらいしましょう。
- 誰に何をどうやって伝えたいのかを知る
- そのコンテンツの目的を知る
- 求められないことを知る
これらをしっかり頭に入れて仕事をしたら、クライアントとの関係が続くようになりました。
今Webライターとして頑張っているみなさんも、仕事に着手するときは、これらの情報をチェックしてみてください。参考になれば幸いです。
さいごに
Webライターラボは「稼ぎ続けるWebライターになろう」をコンセプトにしたオンラインコミュニティです!
興味がある方は、オーナー中村の無料メルマガをチェックしてみてください。
Webライターの仕事に欠かせない「文章力」を上げるコツを配信しています◎
筆者:ゆらり(@yurarigurashi)
監修:中村昌弘(@frelance_naka)