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雑誌や新聞の仕事ってどんな感じ? さまざまな媒体で働くライター “シモカワさん” に聞いてみた!

  • 雑誌や新聞の仕事は、Web記事とどう違う?
  • Webライターが紙媒体の仕事をはじめるには?
  • Webライターだけど、ゆくゆくは出版社の仕事をしてみたい!

今回はこんなお悩みにお答えするために “ シモカワヒロコさん” (以下、シモカワさん)に話を伺いました。

シモカワさんは、新卒で商業誌の出版社に就職。その後独立されて、現在はライター兼編集者として活躍されています。

雑誌だけでなく書籍や新聞、Webなどさまざまな媒体で記事を手がけているシモカワさんに、紙媒体の仕事について教えていただきました。
現在Webライターの仕事をされている方は、仕事の幅を広げるヒントとしてシモカワさんのお話を参考にしてみてください。

目次

出版社時代に鍛えられた「売れる雑誌をつくる考え方」とは?

ゆらり
ゆらり
シモカワさん、最初に自己紹介をお願いいたします。
シモカワです。新卒で東海地方の出版社に入り、その後イベント会社に転職しました。その頃に副業でWebライティングを始めて、独立して今に至ります。フリーランスになって2年半ほどですが、ライター歴は8年目です。
媒体は特に固定せず、Webや雑誌、新聞、書籍など幅広く活動しています。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
シモカワさんが経験された紙媒体の仕事についてお伺いしたく、まずは雑誌の仕事内容を教えていただけますか?
最初に勤めた出版社では、東海地方のタウン誌を制作していました。仕事内容は、取材先のリサーチと提案、誌面ラフ作成やデザイナーさんとのすり合わせ、取材の日程調整、モデルさんの選定、取材、カメラマンさんへの指示、原稿執筆、校正……と多岐にわたります。

入社2年目は特集の制作統括になり、40ページ以上の内容決定から発売までの、ありとあらゆる仕事を担当しました。

シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
特になにが大変でしたか?
締切に間に合わせるために、先ほど紹介したような膨大なタスクをこなすことですね。
それに加えて、毎月必達の売上目標があり「目標をクリアできるよう、売れる雑誌をつくること」と、口酸っぱく言われていました。

毎月のタスクをこなしつつ、なんとか試行錯誤して目標をクリアしていました。
忙しい時期は働きづめで大変でしたが、そこで鍛えられた経験が今に活きています。

シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
売れる雑誌をつくるために、どんなことを意識しましたか?
読者よりも速いスピードで企画を立てることです。
というのも、読者が知っていることを雑誌に載せても、買ってもらえないんですよね。「お金を出してこの雑誌を読みたい」と思ってもらう必要があります。

たとえば、都市圏でUber Eatsをテーマにした企画を考えるのなら「Uber Eatsの使い方を紹介」は、スピードという観点ではいまいちです。都市圏に住む人なら、だいたいの人が既に知っていそうですからね。

シモカワさん
シモカワさん
だから多くの人がもう知っているということを踏まえて、「都内の有名レストランで1日〇個しか販売されない!幻のメニューをUber Eatsで頼む裏ワザ」や「知る人ぞ知る!Uber Eatsでしか注文できない裏メニューがあるお店〇選。注文方法も伝授」のような内容にする必要があります。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
このような企画を考えるには、どうしたらいいのでしょうか?
普段からアンテナを張っておき、色々なことに興味を持つことです。
先ほど挙げた例も、「この前Uber Eatsを使ったら変わったメニューがあったんだよ」という、何気ない友達の話がヒントになりました。
シモカワさん
シモカワさん
そういった情報に触れたら「なぜ?」と深堀りすることが大事です。
さらに、同じような例や正反対の例はないか、他のサービスと隠れた共通点はないかなど、ひとつのアイデアを色々な観点から広げていきます。
こうしたネタ探しのクセをつければ、おもしろい企画ができると思います。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
色々な情報にアンテナを張って、読者が知らないネタを届けることが大事なのですね。
でも単に最先端であればいいわけではなく、地域や読者層によって適切なネタは変わります。
さきほどは都市圏の例を挙げましたが、同じUber Eatsでもまだサービスが普及していない地方だと、使ったことのない人もたくさんいると考えられます。
シモカワさん
シモカワさん
だから、これからUber Eatsが展開されることを踏まえて「いよいよ上陸!Uber Eatsの使い方をおさらい。今すぐ注文できる地元のお店リスト&メニューも紹介」といった企画にするイメージですね。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
わかりやすい例を教えてくださってありがとうございます。
雑誌づくりでは、他にどんなことを重視されるのですか?
ジャンルによると思いますが、私がつくっていた雑誌では、写真の質が最優先でした。

「もっとこの商品に寄ってほしい」「隣のページに載る店とアングルが被らないように、こういう構図で撮ってほしい」のように、カメラマンさんにさまざまな指示をしていました。

シモカワさん
シモカワさん
取材はその場でできなくても、あとから電話して話を聞くなど対処法がいろいろあります。でも写真は取材現場でしか撮れないので、特に雑誌では重要なポイントかもしれません。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
シモカワさんは写真についてどのように学ばれたのですか?
他の雑誌をたくさん見て、おしゃれな写真を探していました。素敵だなと思った写真を自分のフォルダにストックしておき、いつでもお手本をイメージできる状態にしたんです。

取材現場での指示がしやすくなりましたし、カメラマンさんとの意思疎通もスムーズになって、良い写真が撮ってもらえることが増えたと思います。

シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
雑誌の仕事に興味があるWebライターは、どのように案件を探せばいいのでしょうか?
興味がある雑誌のホームページやオウンドメディア、本誌そのものなどを見てみるのがいいのではないでしょうか。ライター募集のページは、意外とたくさんあると思います。

他には、出版社にポートフォリオを送るのもありです。雑誌の編集者だったときに、フリーのライターさんから売り込みがきたこともありました。

シモカワさん
シモカワさん
とはいえ本気で雑誌の仕事がしたいなら、出版社自体に入るのが一番いいと思いますね。
当たり前ですが、フリーで仕事を受けることと、中の人として働くことには色々な違いがあります。
私自身、出版社で「1冊の雑誌をつくるすべてのプロセス」を経験したことが今に活きているので、そうした選択肢を考えてもいいのではないでしょうか。
シモカワさん
シモカワさん

実は高い文章力は求められない!? 新聞の仕事で大切なこと

ゆらり
ゆらり
新聞の仕事について教えていただけますか?
住宅リフォーム業界の専門紙で、取材音源の文字おこしと執筆を担当しています。文字数は1記事あたり700から1,200字ほどが多いです。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
新聞の仕事ではどんなことが重視されるのですか?
「情報の取捨選択と順番が大事」と言われています。
取捨選択については、取材で聞いた情報のうち、何を選び取って伝えるかが大事、ということです。

たとえば、取材中に盛り上がった話題や興味深いお話があっても、伝えたいことでなければバッサリ切り捨てることもあります。
1.5時間ぐらいの音源を700~1200字ぐらいに凝縮するので、使う箇所の方が少ないぐらいです。

シモカワさん
シモカワさん
順番については、どれだけ端的にポイントを伝えられるかが問われると感じます。
たとえば何かの先進事例を紹介するのなら、その事例の概要や特徴を先に記載して、それが実現した理由や背景を述べて、関係者のコメントを載せる、というイメージです。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
一流の記者が働くような新聞の世界では、高い文章力が求められるイメージがありますが、実際はいかがですか?
新聞社や担当する記事の種類にもよると思うのですが、私の場合は文章のうまさはそこまで求められませんでした。編集部の方から「文章は稚拙でもいいから、事実を伝えることを優先してほしい」と言われたぐらいです。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
どのように新聞の仕事を見つけたのですか?
Indeedで募集を見つけました。
私は普段、外構やエクステリア専門のブロガーの方とも仕事をしていて、その実績をアピールして応募したら採用になったんです。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
専門紙の仕事に応募するのなら、同じジャンルの経験や執筆実績は必要だと思いますか?
採用率を高められるような実績はあったほうがいいと思います。
でも、私が応募した仕事も「業界未経験者お断り」ではなかったので、誰にでもチャンスはあると思います。

Indeedでは、新聞社や出版社の案件をときどき見かけるんですよ。紙媒体の仕事に興味がある方は、チェックしてみるといいかもしれません。

シモカワさん
シモカワさん

一番大変だったのは雑誌づくり。誤字脱字にまつわる苦い思い出

ゆらり
ゆらり
雑誌や新聞、書籍、Webとさまざまな媒体で活動をして、どれが一番大変でしたか?
雑誌です。さっきも言ったように膨大なタスクがありましたが、締切日が明確に決まっていて、何が何でもその日に全タスクを完了させないといけなかったんです。
大型連休がある月はさらに締切がタイトで、なかなかハードでした(笑)。
シモカワさん
シモカワさん
特に神経を使ったのが、誤字脱字のチェックです。書籍だったら増刷時に修正できますし、Web記事ならWordPressですぐに直せますよね。
でも雑誌では、発売後に誤字脱字を発見しても直せません。一度ミスしたら、永久に誤字脱字のある誌面が残ります。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
それは怖いですね……。
実は以前、3か月連続で誤字脱字のある誌面を出してしまったことがあります。当然なのですが、そういった失態をすると社内でものすごく怒られます。
シモカワさん
シモカワさん
取材先に電話して深く謝罪をして、関係各所に「お詫びと訂正」の書面を出して、始末書を書きました。そのときはとても落ち込みましたね……。
媒体の信頼も落としますし、お店や商品の情報が誤った状態で広まってしまうので、あってはならない事態なんです。

今でも制作に携わった雑誌が届くと「誤字脱字があるのではないか」とドキドキしてしまい、誌面を直視できません。

シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
2番目に大変な仕事はなんでしたか?
Webの仕事です。
記事の種類を問わず、情報が早く、広く届きますよね。無料の媒体だと読者の数も多いです。ふとしたことで炎上するリスクがあるので、言い回しにはとても気を遣います。

特にタイアップ記事※が炎上すると、クライアントが批判される可能性もあります。
特定の人に嫌な気持ちを抱かせないよう、攻めすぎず、でもきちんとサービスを訴求できるような表現の落としどころを探るのに時間がかかりますね。

シモカワさん
シモカワさん

※タイアップ記事:企業(広告主)が媒体(メディア)と協力して出す広告記事

多様な媒体の仕事に挑戦するなかで共通する軸は?

ゆらり
ゆらり
色々な媒体かつ多ジャンルで執筆されていますが、シモカワさんなりの仕事を選ぶ軸はありますか?
前提として、編集か執筆の仕事であることと、興味を持てるジャンルであることを重視しています。その他には、業界としてどのくらいのお金が動いているかも見ています。
シモカワさん
シモカワさん
というのも、動くお金が大きいほど制作にかける予算も多くなりやすいと思うんですよ。
極端な話、契約や販売1件あたりの利益が数百円ぐらいの「薄利多売」な業界と、1件あたり数百万円の利益率が高い業界なら、広告の予算額は後者の方が大きそうじゃないですか。
そんな感じで、予算に余裕がある業界であれば編集者やライターに支払えるお金も増えるので、単価が高くなりやすいのではないかと推測しています。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
その他の軸はありますか?
ニッチなジャンルを選ぶですね。もともと「他の人が知らないことを知りたい」という、知的好奇心が強いんだと思います。

たとえば、最近は電子工作に関する記事を書いています。はんだごてやニッパーのような工具と、電子部品を使ってものづくりをする、というテーマの連載コラムです。

シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
電子工作は珍しいですね。あまり聞いたことがありません。
ニッチなジャンルを選ぶのは、他のライターさんと差別化する意図もあります。リサーチしても情報が出てこない、もしくはあっても内容を理解するのに時間がかかるようなジャンルだと、参入障壁が高く感じられると思います。
そうしたジャンルを強みにすれば、仕事依頼をいただきやすそう……という狙いもありますね。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
一見バラバラに見える仕事でも、シモカワさんなりの軸があるのですね。
ひとつのことばかりやり続けられないタイプなんです(笑)。
雑誌の編集者も、幅広い情報を集約する業務だったので、性に合っていたのかもしれません。
今もさまざまな仕事を手掛けていますが、どれも本当に楽しいですね。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
同時並行でさまざまな仕事をされて大変ではありませんか?
雑誌をつくっていたときのほうがタスクが多かったので、今はそんなに大変ではないですね。

それに、私は飽き性なので、色々な媒体の仕事をするほうが楽しいんです。

シモカワさん
シモカワさん
業務内容も執筆ばかりではなく、文字起こしや編集、添削、校正など、幅広くお受けしています。
「書くのに疲れたら編集」「とりあえず書く気分になるまでゆっくり文字起こしをしよう」など、作業する順番をフレキシブルに決められる点も気に入っています。
シモカワさん
シモカワさん

雑誌や新聞、Web、書籍と多媒体で書く! マルチタスクのコツ

ゆらり
ゆらり
多媒体の仕事を並行してすすめるコツはありますか?
とにかく各媒体で抱えているタスクを細分化して、完了までに必要な工程を把握することです。
たとえば、「A社のWeb記事の制作」を分解すると、リサーチ、構成作成、執筆、画像選定と分けられます。「クライアントに請求書を出す作業」も、B社は月末までにメールで送付、C社は翌月の5日までにChatworkで提出……のように細分化できますよね。
シモカワさん
シモカワさん
毎晩これらを整理して、翌日のタスクを紙に書き出してから寝ています。
そうすると、仕事の内容がバラバラでもスムーズに進めやすくなりますし、進捗も分かりやすくなるので焦らず対応できるんです。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
日頃の仕事で工夫していることはありますか?
自分がノリノリの時間と、そうでない時間を把握するようにしています。
私は、日中よりも夜のほうが仕事がはかどるタイプです。だから夜に重めのタスクを持ってきて、明るい時間は軽めのタスクを中心にしています。
シモカワさん
シモカワさん
気分が乗らないときは潔く諦める。家事はほどよく手を抜く。有料サービスやツールをフル活用して仕事を効率化する……などもしていますね。
良いパフォーマンスを発揮することを最優先にして、それ以外のことは潔く捨て去っています。
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
紙媒体とWeb媒体の両方に携わって、どんな違いを感じましたか?
細かな違いはたくさんあります。たとえば、Web媒体にページ番号は必要ありませんが、紙にはページ番号がありますよね。
原稿執筆で使うツールも、私が関わった限りでは紙媒体ではWordを使うことが多く、Web媒体ではGoogleドキュメントがメイン……といった違いがありました。
シモカワさん
シモカワさん
でも、媒体が何であれ、やることは一緒です。その媒体で情報を出すことにどんな目的があって、誰にどうやって情報を届けるのか。目的を達成するために、どんな見せ方やまとめ方をするのか。違うのはこのくらいではないでしょうか。
本質をはき違えなければ、どんな媒体でも仕事はできるはずです!
シモカワさん
シモカワさん
ゆらり
ゆらり
力強いお言葉ですね。シモカワさん、本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
シモカワさん
シモカワさん

さいごに

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ゲスト:シモカワヒロコ(@nyima_smkwhrk
ライター:ゆらり(@yurarigurashi

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